自公325議席、政権“再”交代

昨日、投開票された第46回衆議院議員総選挙は、与党・民主党が大惨敗し、自民党が圧勝して政権党に返り咲いた。
この結果の理由はメディアが様々な分析をしているが、民主党への失望による「消去法」で相対的に自民党が勝った…というのが大方の論調のようだ。まさにその通りなのだが、それに加えて、自民党ならではの地力、つまり党員を含む「後援会」がしっかり機能した結果…というのが私の見解だ。
前回の衆院選では「政権交代」という大型台風が吹き荒れたため、政策ひとつ満足に書けない素人候補が大量当選してしまった。それから3年余り、いきなり与党議員になったことで勘違いし、地盤固めを怠ってきたツケが回ったのだ。
かつて、私が政治ウォッチャーだった頃は多くの道内選出議員を取材したが、自民党議員(候補)は落選後の浪人中も欠かさずに辻立ちや戸別訪問を続け、しっかり後援会組織を維持できる“地力”があることをを垣間見てきた。
さらに同党の強みとして、全国を網羅する「地方議員」の存在がある。ひとつの小選挙区内に何人もいる彼らは、自身の後援会をフル動員して候補者を全面支援する。一方、前回の「政権交代」の風に乗り、多くの浮動票を集めて与党になってしまった民主党は労働組合ぐらいしか拠り所がないため、いざという時に脆かったということだ。
もちろん、メディアが言うように「積極的な自民支持ではなかった」のだろうが、前回の「一度は民主党にやらせてみよう」という期待が失望に変わったため、「ダメだったから元に戻そう」というのは当然の有権者心理だろう。
しかも、“第三極”と目されていた維新の会や未来の党も、党首らの知識・見識・常識があまりに「お粗末すぎた」ため、無党派層の受け皿にはなり得なかった。そして案の定、原発は争点にならなかった。
これらの理由から、自民党の圧勝劇は「なるべくしてなった」結果といえそうだ。
余談だが、投票率が戦後最低の59.32%とは…。健全な二大政党制への道は大きく後退したようだし、「死に票」が多数発生し、「ゾンビ(比例復活)議員」も生む現行制度(小選挙区比例代表並立制)はそろそろ限界なのかも知れない。
選挙制度改革と公選法改正に期待したい。
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カテゴリ : 政治選挙