デザイナーってカッコいいの?

「グラフィックデザイナーです」
初対面の方に自分の職業を名乗ると「へ~カッコいいですねぇ」と言われることが多い。カタカナ職種に対する条件反射なのだろうか。
「紙媒体の創作配置屋です」と言えば印象が違うのかな…?
どんな仕事でもそうだが、世間が思う「カッコいい仕事」のイメージと現実とは、少なからず開きがあるケースが多い。そして恐らく、私の仕事の場合も…。
例えば、颯爽と世界を飛び回り、大きな取引を成立させる商社マン(という私のイメージ)に比べたら、フリーのグラフィックデザイナーなんぞ“地味”に尽きる。
仕事が立て込むと何日も徹夜で作業し、目が血走ったままでクライアント先に出向くし、食生活も乱れまくりで、時間の節約のために3食カップラーメンという日も決して珍しくない。
自宅で仕事をしているため、外出をしない日はヒゲも剃らずに昼夜トレーナーのままだし、散髪に行くヒマもないし髪は伸び放題、ジャマな前髪を左右に輪ゴムで縛っているのを忘れて回覧板を届けに来た隣人をビックリさせたりで、ちっともカッコよくない。
では、一方の仕事であるカメラマンという職種はどうだろう―。
カタログ等の商品撮影の場合は別として、望遠レンズを駆使した動体撮影の時には「アイドル撮影会に群がるカメラ小僧みたい」とさえ言われ…。
また、結婚披露宴など撮影条件によっては、カメラを何台もぶら下げ“一度きりの一瞬”を逃すまいと、汗だくになって鬼のような形相で会場内を走り回るのだ。やはりカッコよくない…。
だが、自身がそうであっても「おぉ、なんて素敵な!」と思える同業者がいるのも確かで、要は本人の自覚と立ち居振る舞いの問題か…と思わなくもない。
まぁ俳優やモデルじゃあるまいし、外見上の格好やイメージで訴える商売ではないし、特にこの業界は斜陽産業まっしぐらなので、あまり好意的な先入観は持たないで頂きたいものだ。いやホントに…。
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