永遠も半ばを過ぎた

フリーデザイナー兼カメラマンの苦言・放言・一家言

新型コロナの死亡率を出してみた

2020/04/02(木)



1月中旬頃から始まった新型コロナ狂騒曲は4月になってますますエスカレートしており、メディアはこぞって「医療崩壊だ」「緊急事態宣言だ」「首都封鎖だ」などと国民の不安を煽っている。日々の感染確認者数と共に発表される「累計」数ばかりが強調され、無症状や軽症のまま退院した患者数は事実上、黙殺されている。メディアによる巧みな印象操作により国民は他人に対して疑心暗鬼になり、ただでさえ殺伐としている世の中が一層、醜悪になってきているようだ。

欧米などの諸外国に比べれば、日本の感染者数の累計グラフは緩やかなカーブで、感染症の流行としては理想的な推移を辿っていると思われるが、一方で「日本はPCR検査数が圧倒的に少ないから感染者数も比例して少ないだけ」との指摘もある。つまり「無自覚・無症状の陽性者を発見できていない」ということになり、ゆえに「日本は感染者数が少ない」という意見は参考にならないという理屈である。

確かにその通りなのだろう。ならば「死者数」はどうだろう。感染者数は意図的に検査数を抑えるだけで数値を少なくできるが、死亡する感染者はまず発症し、重症→重篤→死亡という道を辿るため自ずと病院の世話になり、治療の過程で新型コロナの疑いがあればPCR検査をするだろうから「新型コロナによる死者数」は誤魔化しようがないはずだ。

そこで、(仕事がヒマなので)死亡者が出ている都道府県の人口を元に、新型コロナの「感染死の確率」を計算してみた。また、比較参考用として世界各国の感染死率と、国内における「他の死因」との比率も比較した。

主な集計結果(抜粋)は以下の通り。(比率は全て人口比)


200402-1.jpg


200402-2.jpg


200402-3.jpg

  ◇   ◇   ◇

【簡易解説】表①(都道府県別)
現在、感染者数の増加ペースが著しい東京を見ると、死者数は16人で、比率は人口の約0.0001%、約87万人に一人という割合だ。

【簡易解説】表②(国別)
(本当は中国だとは思うが…)世界で最も死者数が多いのがイタリアで12,428人、人口の約0.02%で4,862人に一人である。一方の日本は全体で69人の0.00005%、約182万人に一人となった。

【簡易解説】表③(国内の死因別)
国内の1年間(2018年)で最も多い死因の「がん」が38万人超で人口の約0.3%。対して「新型コロナ」は集計期間がまだ2ヶ月半程度なので、69名を仮に1年分として30倍で見積もったとして2,070人、それでも「貧血死」より少ないどころか、治療薬やワクチンが確立されているはずのインフルエンザをも下回る。だが「毎年のことだから」とインフルの流行を騒ぐメディアはなく、国民もまるで無関心なのだから呆れた話だ。

あくまで「4月1日現在の死亡者数」という前提だが、これらのデータを見る限り、メディアの騒ぎ方は少し異常ではないのか。以前から「ピークはまだ先」と言っており、日ごとに感染者の数値が増え続けるのは分かっていたこと。今の段階でこれだけ騒がれると、ピークを迎える頃にはどんな状態になっているのやら…。

もちろん、私は感染症については全く素人なので、医師や専門家らの「警鐘」を真っ向から否定する知識も見識もない。だが、日本は春節の中国人観光客をを受け入れたばかりに早い段階からウイルスを大量上陸させてしまったにも関わらず、米国や欧州各国に比べてはるかに「死亡者数」を抑えているのは事実だ。

それなのに政府やメディアは「医療崩壊は近い」と断じている。少なくても数字上の感染者が圧倒的に少ない現状で、「感染症」という特殊事情があるとはいえ日本の医療体制はそれほど脆弱なのだろうか。PCR検査で陽性と出てしまえば、約8割といわれる無症状・軽症者も一律に隔離入院させる今の体制を改善すれば何とかなる話ではないのか…。

確かに、イタリアの数字を見ると「惨劇」と言える状態であり、「イタリアのようになる前に予防措置を」という考え方も理解できるのだが、国民を落ち着かせる役割のはずのメディアがいちばんパニクっており、必然的に国民もおかしくなってきている。

サージカルマスクなどできちんと防護しているはずの医療従事者も次々と感染しているのだ。ある程度の流行・蔓延は不可避なのだから「なるようにしかならない」という一定の開き直りも必要ではないのか。もちろん、外出自粛が叫ばれる中で「遠慮せずに遊びに行け」という意味ではないのだが、国民全体が精神的に壊れていく方がウイルスよりよほど怖いわ…。

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