うれし!楽し!大災害!

テレビ朝日の女子トイレ盗撮映像 (画像クリックで拡大)
世に数多の職業あれど、「他人(ひと)の不幸は蜜の味」という言葉を最も体現しているのは「テレビ業界」だろう。
日々、「他人の不幸探し」に苦労している中、地震などの災害は「1本でしばらく引っ張れる絶好のネタ」なので、業界は大歓迎である。そして、今月14日から主に熊本県で頻発している一連の大地震を受け、在京キー局や各地の制作局は大喜びで取材クルーを現地に送り込んでいる。
東日本大震災時に非常識な取材手法をさんざん批判されたにも関わらず、この熊本地震でも相変わらず「特権意識」と「野次馬根性」を隠そうともしない傍若無人ぶりを発揮し、被災者のみならず全国から顰蹙を買っている。
救助の妨げになることを百も承知で取材ヘリを飛ばして爆音を轟かせるのは毎度の光景で、過酷な避難生活で疲れ果てている被災者に大光量のビデオ用ライトを当て(→ 写真)、「今のお気持ちは?」などの愚問とともに容赦なくマイクを突きつける無神経さも健在である。
さらに、「より悲惨な被災者」を探し回っては特集して「お涙頂戴」を演出したり、健気に頑張っている被災者を追いかけて「感動的美談」に仕立て上げるのも、いつもの得意技である。
テレビ局にとって人的・物的被害はあくまで「ネタ」なので、被災者の気持ちを察したり、寄り添ったりという「人の心」を求める方がそもそも間違っているが、フジテレビ系列「関西テレビ」の中継車が、ガソリンスタンドで順番を待つ被災者の車列に割り込んで給油した事実(局側もそれを認めて謝罪)に至っては、もう「人でなし」のレベルである。
そしてついに、テレビ朝日系のカメラマンが女子トイレを盗撮し、全国ネットでその映像を流すという「大事件」を起こした。冒頭写真でも分かるように、左手前の個室内に人の足が映っており、明らかに「使用中」の撮影である。
まぁ正確には、「77歳の女性が避難所のトイレで死亡していた」というニュースの際の「参考映像」であり、これが演出的な効果を狙ったイメージカットであろうことは、私も写真家の端くれとなので察しはつくが、とはいえ人がいるかどうかの確認もせずにこのアングルでの撮影は「盗撮」そのものである。
どのような理由をつけても、一般人がこのような画を撮れば「即逮捕」の刑事案件であり、「うっかりしていた」「知らなかった」が通用するはずもない。だが、テレビ局は「報道」という大義さえ振りかざせば、盗撮どころか放火・強盗・殺人さえも免罪になるであろう特権をお持ちのようだ。
大災害の中継報道ではなぜか、神妙なはずのレポーターの表情に「楽しさ」が滲み出ている。被災地はあくまで「出張先」であり、そこには商売ネタとしての「不幸で悲惨な人間」がゴロゴロ転がっている宝の山だからである。
自身や家族には及ばない「他人の不幸」をタダ(仕事)で見て回れるのだから、業界特有の野次馬根性は今回も遺憾なく発揮されている。取材クルーたちは、心中こう叫んでいることだろう。
「うれし!楽し!大災害!」
【追記1】2016.04.21
今度は日本テレビ系読売テレビ「ミヤネ屋」がやらかした。雨の中、レポーターが子供たちを払いのけ、雨ざらしにしている光景である。
(→ GIF動画)
もう、何をか言わんや…ですな。
報道陣 「いま、足りないものは何ですか?」
被災者 「あんたたちマスコミのモラルです」
【追記2】2016.04.22
追記1の「子供たちを払いのけた件」について、当該局が釈明したので転載。
「アナウンサーが子どもを無理にどかせた事実なかったと判断」
熊本県民テレビ、「ミヤネ屋」取材への批判受けコメント
4月21日に放送された「ミヤネ屋」(日本テレビ系)で、「アナウンサーが炊き出しに並んでいた子どもを追いやった」場面があったと批判されていた件について、熊本県民テレビ(KKT)がコメントを発表しました。
当該の放送では、KKTのアナウンサーが益城町の避難所で焼き芋の炊き出しをしていたボランティアの男性をインタビューしていました。その際に、アナウンサーがボランティア男性の手前にいた子ども2人をどかせて雨の中に追いやったとする声がネットで上がっていました。
同局は、子どもたちは炊き出しを手伝っており、列には並んでいなかったとし、インタビューが始まったので自発的に退いたと説明。視聴者から指摘を受けて再度アナウンサーを派遣し、子どもと親族に経緯を説明したところ、子どもたちに「テレビ局にどかされた」という自覚はなかったと述べています。
同局は、アナウンサーが炊き出しを邪魔したり、子どもを無理に雨の中に出したりした事実はなかったと判断したものの、「この映像で視聴者の方々に不快な思いをさせたとすれば、お詫び申し上げます」と謝罪しています。
(ねとらぼ 2016.04.22)
このコメントを信じるか信じないか…それは、あなた次第です(笑)
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カテゴリ : 報道誹議