前途多難な「民進党」

「讀(とく)を買いて珠(たま)を還す」
(外面の美しさにのみ惹かれ、本当に尊いものの値打ちが分からないこと)
「仏(ほとけ)作って魂(たましい)入れず」
(物事を完成させても、肝心なところが抜けていること)
「民主党」と「維新の党」の合併に伴う新党名称について両者が主張を譲り合わず、挙げ句の果てには「一般公募~世論調査」というプロセスを経た昨日、ついに「民進党」に決定したという。
このスッタモンダの間、私の脳裏に浮かんでいたのが冒頭の二つの諺である。「名は体を表す」というが、その「体」(政策や綱領)よりも、選挙のために「名」を重視するというのだから、党の体質は何も変わっていないようだ。
そもそも、自分の名前すら自分で決められず国民に頼るような政党が、国権の最高機関たる国会でいったい何を決められるというのだろうか。そして案の定、ネット上では「おすすめ新党名」が飛び交うカオスな状態になっていたが、どれもが民主党の本質を揶揄したネーミングで、個人的にずいぶん楽しませてもらったので一部をピックアップしてみよう。
民死党・七転八党・売国党・新党反日・朝鮮半党・全部反対党・無尽党・再分裂党・新党ブーメラン・北朝鮮のいいとこギュッ党
…当然、これらの案が採用されるはずもなく、最終的には民主が提案した「立憲民主党」と維新が提案した「民進党」との一騎打ちとなり、世論調査でより多くの支持を集めた維新案が採用された。
「民主」と「維新」の合体なのだから「民新党」の方がいいのでは?とも思うが、どうやら「国民と共に進む党」という意味らしい。ただし「国民」とは「日本国民」を指しているのかどうかは不明である。
そもそも、民主党に愛想を尽かして出て行った議員で構成されていたのが維新の党なのだが、選挙で生き残るためには「出戻り」と言われようが気にしちゃいられない、信念やプライドだけではメシは食えない…ということか。
何にせよ、日本の国政政党という自覚があるなら、いい加減に心を入れ替え、多少なりとも日本国家と日本国民のために働く政党になってほしいものだ。
ちなみに、イベント参加のために来日した台湾・民進党(民主進歩党)の議員が今月10日、個人的見解ながら「せっかく政権交代を果たすのに、日本の民主党が民進党に変わったら我々のイメージが悪くなる。やめてほしい」と語ったのが報道されるほど内外で悪名を馳せているのだ。
多くの国民は、「民主党政権」という日本の暗黒時代を忘れていませんよ。
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カテゴリ : 政治選挙