「幸楽苑」の大博打

11月10日にオープンした「幸楽苑」手稲富丘店
約3週間前、すぐ近所の空き地にラーメンチェーン「幸楽苑」手稲富丘店が誕生した。ホームページでメニューを見てみると、なかなか豊富なバリエーションが揃うが、味の方はというと…まだ一度も行っていないので何とも言えず。
そんな折、看板商品である「中華そば」(税抜き290円)の販売を中止し、来春から500円台の新しょうゆラーメンに主力商品を切り替える旨の発表があった。(最後部に報道記事)
これに対してネットの反応はというと…
「松屋の空振りと同じ運命になると予想」
「290円のラーメンが一番美味い店なのに」
「なら普通のラーメン屋行く。 味は期待してないのだから」
「500円なんて誰が出すんだよ。日高屋行くわw」
「これで完全に行く事なくなるわ。 さよなら」
「半年後にまた安いラーメンに戻して迷走開始するんだろ」
「デフレ戦争仕掛けたブランドで高額商品売ろうとしても難しいよ」
「ラーメン激戦区にある店舗は撤退決定だろうなぁw」
…など、かなり手厳しい。そして大多数が「高級化路線で失敗し、迷走を続けるマクドナルド」の二の舞になることを危惧しているようだ。
幸楽苑は札幌市内に5店舗を構えているが、ことラーメンに関しては舌が肥えている札幌人が、安さ以外の理由で足を運び続けるかどうか…。
まぁ四の五の言う前に、まずは自分で食ってみるか

幸楽苑「290円ラーメン」販売中止の衝撃
店舗数は約500、日本有数のラーメンチェーンを展開する幸楽苑が大勝負に打って出る。同社は、約10年にわたって看板商品だった290円(税抜き)の「中華そば」の販売を中止し、2015年4月から500円台の新しょうゆラーメンに主力商品を切り替える計画だ。11月27日の決算説明会で、新井田傳社長が明らかにした。主力商品の交代で、低価格志向から高単価路線への大転換を図る。
来春の発売を計画している新主力商品は、中細麺のしょうゆラーメン。この10月から岡山県限定で販売開始したもので、来年4月からは商品名を変更したうえで全店に投入する計画だ。290円の中華そばは10年ほど前に投入した当時こそ全売上高の32%を占めていたが、現在では17%程度にまで後退しており、販売中止のタイミングを探ってきたという。
(中略)
ただ、看板商品である290円の中華そばがなくなるマイナス影響は少なくないだろう。売上比率は確かに17%にまで下がっているが、首都圏では290円の安さに惹かれて来店する客も多く、ギョーザや“ちょい飲み”などで結果的に600円台の平均客単価につながっているとの見方もある。
つまり、290円中華そばの客寄せ効果は、同社が考えているよりも大きいかもしれないのだ。さらに、岡山で好まれた味が本当に全国で通じるのか、といった不安も残る。
高単価路線に乗り出す乾坤一擲の大転換に、はたして既存の得意客がどう反応するのか。もし、これがうまくいけば、脱デフレを目指すアベノミクスがラーメン業界にも波及したことを意味する。岡山生まれの“渾身の一杯”に、幸楽苑とラーメン業界の未来が委ねられているのかもしれない。
(東洋経済 2014.11.29)
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カテゴリ : 経済産業