ホステス歴は「傷」なのか

日本テレビのアナウンサーとして来年の入社が内定していた女子大生が後日、銀座のクラブでの接客経験を告白したところ内定を取り消され、裁判沙汰になっている問題。日テレ側によると「銀座のクラブのホステス歴は、アナウンサーに求められる清廉性にふさわしくない」という主張のようだが、いったい女子アナに求める「清廉性」とは何なのだろう。
清廉 [名・形動]
心が清らかで私欲がないこと。また、そのさま。廉潔。
「―の士」「―な人物」 (デジタル大辞泉)
ふ~む…独断と偏見に基づいて言わせてもらえば、世の中に数多ある職業の中でも「女子アナほど腹黒く私欲に満ちた人間はいない」と思うのだが…。
昨今のテレビ局が女子アナをアイドルのごとく売り出してセクシャリティを煽ってきたことは周知の事実で、「ニュースを読みたい」のではなく「男にモテたい」女性の応募が殺到する時代になった。事実、採用されるのは出身大学の「元ミス」ばかりで、顔と体型に自信があるナルシストが「身分が保障されたアイドル」を目指すという構図である。
「元ミス」が「女子アナ」になる――すでにこの流れだけで「心が清らか」とは考えにくい。他人を蹴落とす図々しさを持ち、面接官を手玉に取る演技力を備えていなければ達成不可能な世界なのだから。ホステス歴にしても、隠したまま入社した人間が何人いることやら…。
本当に視聴者にニュースを伝えるという使命感が志望の礎になっているとすれば、漢字を始めとする日本語レベルは一般のそれよりも突出しているはずなのだが、中学生でもしない低レベルな読み間違いは枚挙に暇がない。少し検索するだけで出るわ出るわ…ほんの一例だが、ここにピックアップしてみよう。
・鼓舞(こぶ)→ 「こまい」
・団塊(だんかい)→ 「だんこん」
・訃報(ふほう)→ 「とほう」
・拳銃(けんじゅう)→ 「きょじゅう」
・殺陣(たて)→ 「さつじん」
・逆恨み(さかうらみ)→ 「ぎゃくうらみ」
・葛湯(くずゆ)→ 「かっとう」
・貪欲(どんよく)→ 「ひんよく」
・浪速(なにわ)→ 「ろうそく」
・五月晴れ(さつきばれ)→ 「ごがつばれ」
・訃報(ふほう)→ 「けいほう」
・席巻(せっけん)→ 「せきまき」
・西瓜(すいか)→ 「にしづめ」
・無理強い(むりじい)→ 「むりがつよい」
・生体肝移植(せいたいかんいしょく)→ 「せいかんたいいしょく」
・旧中山道(きゅうなかせんどう)→ 「いちにちじゅうやまみち」
もうトホホとしか言いようがなく、「いったい大学で何を勉強してきたの?」と問いたくなる。こんな程度でOKならば、クラブホステスの経歴など何ら問題はない。…というより、大学でチャラチャラ遊んでいただけの学生に比べてはるかに世間を知っており、必要に迫られて身につけた時事社会の知識量はそこいらの若いサラリーマンを凌駕している。公共の電波で国民に何かを伝える職業であれば、なおさら求められる経験と資質ではないのだろうか。
まぁ、局の立場で言えば「無垢な状態から育てたい」ということなのだろうが、様々な意味で「とっくに手垢がついている」のだから、一度決めた内定を取り消すのは企業イメージを考えても得策ではなかったはずである。判明したのが「逮捕歴」というわけでもあるまいし。
何にせよ、訴訟の行方は注目だ。仮に「取り消し撤回」という結論が出たとして、彼女は本当に入社するのだろうか。日テレにとっては「騒ぎを起こした問題児」でしかないだろうに…。
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カテゴリ : 時事社会