アップルよ、どこへ行く

アップルストア青森店
米アップルの「iPhone6」発売に際し、都内各地のアップルストア前には発売日の何日も前から行列ができ、「○○メートル(○○○人)も並んでいる」とメディアが報じるのは、iPhoneが新しくなる度に繰り返される「いつもの光景」である。と言いたいところだが、今回は少し様子が違うらしい。
中国でiPhone6の発売が延期されたために国内での売値が異常に高騰し、これに目をつけた中国人が大挙して押し寄せ、列に無理やり割り込んだり、ホームレスを買収して占拠させたりしていたようで、アップルストア前の異様な光景(写真)の数々がネット上に溢れている。(→ 一例)
通信アプリ「LINE」のアカウント乗っ取り詐欺も大半が中国人の犯行と言われるが、まぁ「カネ」が絡むと本当にタチの悪い連中だこと…。
それはさておき、iPhoneのモデルチェンジは年に一度の恒例行事だが、もはや「売らんかな」だけのイベントになり果てている感がある。筐体は個性を捨ててアンドロイド系の二番煎じのようであり、iOSに至ってはバージョンアップの度にユーザーから「改悪」と言われる始末。
どこをどう調べても iPhone6に新しい魅力を見出せず、この「新型登場」に熱狂している層が単なる「新しもの好き」なのか何なのか、どうも真意が図れない。スティーブ・ジョブスが存命だった頃とはビジョンや方向性が異なる方向へ向いている感じがして、もはや「革新性」が売りだった頃の面影はない。
私もiPhoneユーザーの一人だが、未だ「4S」からハードを新しくしたいと思ったことはなく、iOSを6から7にアップデートした時には「アップルは終わった」とさえ思ったものだ。
思い起こせば、初めてアップル製のパソコン(Power Macintosh 8500)を手にしたのはもう20年以上も前だが、この頃はウィンドウズ搭載のPC/AT互換機が圧倒的主流派で、そんな中でも個性とアイデアで勝負していたアップルの企業姿勢が好きだった。
それが今や、時価総額(8月末現在)が6千億ドルを超え、「世界一」に君臨する存在に成り上がった。ジョブス亡き後でも、当時の情熱は残っている…と信じたいところだが、果たしてどこへ向かっているのだろうか。
- 関連記事
-
- 「幸楽苑」の大博打 (2014/11/29)
- 「北電再値上げ」批判は筋違い (2014/10/16)
- アップルよ、どこへ行く (2014/09/20)
- 焼け太りJALの「自業自得」 (2014/08/12)
- トップの資質(スカイマーク編) (2014/07/30)
カテゴリ : 経済産業