再認識した「札幌の住みやすさ」

(たぶん)豊平川河川敷…
就寝から間もない午前3時過ぎ、けたたましい音でスマホに緊急警報が通知され、以降は7時台にかけて断続的に20回以上も届いた。これは、札幌管区気象台が、札幌を中心とする計35市町村に道内初の「大雨特別警報」を発令したことによる措置だった。
とはいえ、私が住む手稲区富丘周辺は路面が濡れる程度にしか降っておらず、警報といってもいまいちピンとこなかったのだが…。
札幌市内に限ると、避難勧告対象者は約78万人、避難所は158ヶ所に設置されたが、実際に避難した住民はピーク時で479人だったという。単純計算では、勧告1万人に対して6人しか避難しなかったことになる。結果論とはいえ、この豪雨による直接的な犠牲者がゼロだったことを考えると、そもそもエリアだけで区切って78万人にも勧告したこと自体が「やりすぎ」だったのではないか。
山麓など土砂崩れの恐れがある地域ならともかく、そうでない場合は家屋への浸水を防ぐ方が先決で、それを放ってまで避難している場合ではないはずだ。
もし万が一にも78万人のほとんどが避難していたら、避難所1ヶ所あたりの収容人数が5千人(平均)にもなった計算で、現実的には受け入れ不可能な数字である。他の市町村では勧告対象者数と避難者数が2:1ほどと大きく乖離しておらず、余計に札幌市の判断能力が問われることになったのは残念だ。
ところで、札幌市民として振り返ってみると、こういった自然災害(多くの市民にとっては「単なる大雨」で済んだが…)は久しく記憶がない。
特に近年は本州以西で豪雨による家屋の浸水や土砂災害が多発し、犠牲者も多く出ている。しかし、札幌市民にとってはどこか他人事のような感覚で、「明日は我が身」という危機感は持ちにくいのが正直なところ。
それだけ自然災害が少ないことに他ならず、それは地震も同様だ。平成に入ってから道内で起きた巨大地震は、釧路沖地震(5年)、南西沖地震(5年)、東方沖地震(6年)、十勝沖地震(15年)が挙げられるが、いずれも札幌には被害が及んでいない。
また、地理上の理由から、北海道は「台風が来ない」「梅雨がない」と言われてきた。最近は必ずしも当てはまらないことがあるにせよ、やはり本州以西に比べると快適この上ない。冬の降雪量は少なくないものの、北陸や東北などの豪雪地帯に比べたらかわいいものだ。
「住めば都」という側面もあるとは思うが、それにしても札幌という街の住みやすさを改めて認識した今回の豪雨だった。
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カテゴリ : 時事社会