またもや無意味な「政略結婚」

「すぐに離婚する」 に1票

現・次世代の党と「離婚」したばかりの日本維新の会は今月21日、今度は結いの党と「再婚」する(予定)。これに先立ち、モメていた新党名を「維新の党」とすることで両党の両院議員懇談会が合意したという。
当初は「日本維新の会・結いの党」という、何の工夫も独創性もない案が出されたものの再考することになり、すったもんだの末、結いの党側が妥協する形で折り合った。だが、その前に同党の江田憲司代表は会見で「ガラス細工の上に成り立っている合意だ。一点が崩れれば全部崩れる」と語り、すでに信頼関係が崩れかけた合併だという危惧を自ら吐露した格好だ。
また、1年間の暫定措置とはいえ、またしても維新特有の「橋下&江田」という共同代表制をとり、さらに党本部すら大阪と東京に分けるという。これでは完全な「別居婚」であり、一緒になる意味があるとは到底思えない。
「自民1強」に対抗するための野党再編(離合集散)の一環でありながら、思想信条で考えると維新の会は自民に近く、リベラル路線の結いの党とはそもそも相容れないはずである。そして、維新側の「吸収合併」、結い側の「対等合併」との認識のズレも「相思相愛」になりきれず、新党名でもモメた要因だろう。
どんな組織であれ、名称は大切である。複数の組織が一緒になるのであればなおさら、ネーミングには腐心することだろう。いわゆる「金融再編」の時にも多く見られた現象だが、互いのプライドが邪魔をして結局は「両者の名前をくっつけただけ」というケースは少なくなかった。
最近でいうと「損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社」がいい例で、あろうことか同一社名に「ジャパン」と「日本」を入れるというトンチンカンな会社が9月1日に誕生したばかり。第一勧業銀・富士銀・日本興業銀が合併して「みずほ銀行」と刷新したケースとは全く対照的である。
何にせよ、両党は主導権争いをしている場合でも立場でもないだろう。時事通信が8月14日に発表した政党支持率を見てみると…

維新の会が1.2%、結いの党が0.1%という惨憺たる数字である。新党の両院議員数こそ計76名となり、法案によっては採決時にキャスティングボートを握る場合もあるのだろうが、そもそも国民にほとんど支持されていない政党同士が、いがみ合いながら一緒になるメリットは何なのだろうか。
そう考えると他の野党勢力も五十歩百歩で、最大野党である民主党でさえ8月になってやっと5%を超えた程度である。全野党(公明党も含む)の支持率を合計しても13.2%と自民党には遠く及ばなく、もはや存在価値すら疑われるほどの惨状だ。
アメリカのような二大政党制になることを期待された現行の小選挙区制度だが、自民党のライバルになるはずだった民主党は「底の浅さ」が国民にバレたため、事実上の自民党独裁政権にならざるを得ないのが日本の現状なのだ。
イデオロギーが似たり寄ったり(一部の保守政党を除く)で存在(税金投入)価値のない野党は離合集散よりも「ひとつ」に結集し、(ざっくり過ぎる例えだが)「愛国vs売国」という二大政党制になった方が、政治の構図として国民も分かりやすいと思うのだが…。
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カテゴリ : 政治選挙