3年ぶり復帰も前途多難?

3年ぶりにデザイン業界に戻ってきたが、取り巻く環境の変化には驚いた。機材(ハード・ソフト共)の進化しかり、それに反比例する業界の衰退しかりだ。
もとよりパソコン関連機材の進化スピードは速く、例えば10年前なら50万円を超えていたカラーレーザープリンタが、現在では更に高性能になって5万円で買える時代になった。
この「高性能・低価格化」が少しずつプロの仕事を奪っていった。大抵の会社がちょっとした印刷物なら社員が作成し、印刷まで自前で済ませてしまう。長引く不況の煽りを受け、あまりクオリティを要求しないものであればプロに頼む必要がなくなったのだ。
そして、その究極が「写真」の世界である。3万円もあれば高画質のデジカメを買うことができ、それどころか携帯電話にまでカメラが標準装備される時代で、言わば「一億総カメラマン」の国になっている。
このデフレの中では「質よりも価格」という価値感が求められるのも仕方がないとはいえ、これでは業界が衰退するのも当然だ。この4年間で廃業してしまった同業者は決して少なくない。
そんな状況下でこの世界に復帰した私を「チャレンジャー」と呼ぶ者もいるが、ニーズが完全に消滅したわけではないので、自分ならではの価値と技術を追求していきたいものだ。
◇
ところで、この4年間に何をしていたのかというと、かねてから事務局長として活動していた某NPO法人の代表理事になったのを機に「二足のわらじは不可能」と判断し、暫定的に本業の活動を停止した。
ちなみに、このNPO法人の活動は社会的意義が高いとの評価を受けたため、幾度となくメディアにも取り上げられたものだ。(ちょっと自慢)

まぁ今となっては記念にしかならないが、その後も紆余曲折があり、波瀾万丈な4年間を送った末に業界に戻ってきたわけだ。…とはいえ、果たしてこの時代に生き残ることができるのか。
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