政党名あれこれ

7月にいったん解散後、分党する予定の「日本維新の会」。事実上「出て行く側」の石原慎太郎・共同代表グループは、新党名を「次世代の党」とすることを発表した。(最後部に報道記事)
じ、次世代の党って…

それにしても、最近の政党のネーミングには「~の党」というパターンが流行っているようだ。「みんなの党」「生活の党」「日本未来の党」「太陽の党」「結いの党」などが挙げられるが、「みんな」や「結い」はともかくとしても、他の党名には「の」という助詞を入れる必要性を感じないのだが…。
だが、それ以上に脱力したネーミングだったのが、今は亡き「たちあがれ日本」や「国民の生活が第一」である。ここまで来ると固有名詞というより「文」に近いが、前者は年配議員の多さから「立ち枯れ日本」と揶揄され、後者は民主党の離党組にも関わらず、当時の民主党のキャッチコピーをそのままパクったという不見識ぶりが話題になった。
そして、政党名という意味で私が一生忘れない出来事が、1994年にあった。
当時の政治・選挙情勢により、「新生党」「民社党」「自由党」「高志会」などの野党各党は、合流して新党を結成する必要に迫られていた。これに注目していたメディア各社は「新・新党の行方は?」というニュアンスで連日報道していた。(なぜ「新・新党」という表現になったのかは失念したが…)
そして、いよいよ「新・新党」が船出することになり、最初の全党大会で大々的に発表された党名が…「新進党」(しんしんとう)。これには日本中が吹き出した…かどうかは定かでないが、当時の私は「これは小沢(一郎)の精一杯のギャグに違いない」と妙に関心したものだ。
党名の傾向という意味で他にも目立っているのが、党名に「新党」を含めることである。ざっと挙げるだけでも「国民新党」「新党大地」「新党改革」「新党日本」「新党さきがけ」「保守新党」「日本新党」「公明新党」「新党きづな」「新党友愛」「新党平和」「新党みらい」など。(この他に「日本創新党」なんてのもあったが、これは分解すると「日本・創・新党」ではなく「日本・創新・党」なので例外とする)
世が新党ブームだったとはいえ、名称にも「新党」をつけるセンスはどうなのか。この言葉は文字通り「新しい党」のことを表現した熟語として使われるべきはずで、これでは「5年経っても『新党』とは、これいかに」である。とはいえ、これらの中に(国政政党として)5年も保った党は皆無で、結局は「新党のまま消えた」というオチがつくのだが…。(※大地は地域政党に「降格」)
何にせよ、人口が1億人程度の日本に、政党が乱立しすぎである。今日現在、国会に議席を有する政党(政治団体を含む)が13党あり、その中で衆参合わせても所属議員が10人に満たないのが6党もある。無節操な離合集散を繰り返してなお「烏合の衆」である国会勢力の現状には呆れるばかりだが、よく考えれば日本は2012年まで「年一回、首相が替わる国」だった。さもありなん…

石原グループ:新党名は「次世代の党」
解散し分党する日本維新の会の石原慎太郎共同代表のグループは26日、国会内で記者会見を開き、新党の党名を「次世代の党」にすると発表した。石原氏は「若い人が将来に期待を持てる社会にしていくことが私たちの大きな責任だ」と、命名の狙いを述べた。
党名は石原新党に参加する全議員から計84案が提出され、24、25両日に各議員が3案ずつ選ぶ投票を実施。「次世代の党」「自由立憲党」「新党富士」「日本改新党」「黎明日本」の上位5案に絞られていた。
26日に開かれた石原氏ら7議員による党名策定委員会では投票は行わず、5案から全会一致で「次世代の党」に決めた。
石原新党には22人(衆院19人、参院3人)が参加する予定。7月中に新党の規約や綱領を決め、8月上旬に正式発足する。現在は暫定執行部のため、9月上旬に代表選を実施して執行部体制を固め、9月中旬に結党大会を開く。
(毎日新聞 2014.06.26)
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