コンビニ戦国時代

来たる30日、自宅から徒歩数分の国道沿いにセブンイレブンが新規オープンするようだ。数年ほど空き地になっていた場所だが、ようやく活用される。
昨年10月、この新店舗に向かって左350mほどの場所にローソンがオープンしたが、その影響もあってか、同じく右80mほどの場所にあったセイコーマートがこの春にひっそりと閉店した。
基本的に近隣住民をターゲットとするスーパーと違い、コンビニはたまたま前を通る「クルマ客」も取り込む要素が強い。そのため、小規模店といえど駐車場の充実は必須であり、特に大型車用の駐車スペースを持っているところは強い。
このセイコーマートは個人酒販店からの鞍替え店だっただけに店内も駐車場も物理的な窮屈さは否めず、店内の厨房で弁当やホットスナックなどを調理提供する「ホットシェフ」エリアも設置できない店舗だった。そんな状況の中、クルマ客にとって「手前」に位置するローソンがオープンして万事休す…だったのかも知れない(あくまで想像)。
「コンビニ戦国時代」と言われて久しいが、相変わらず大手チェーンの出店ペースはすさまじい。消費者の利便性という意味では、近所にあるコンビニは多いに越したことはないが、その実態は過酷そのものだという。
特にフランチャイズ(FC)店舗の経営者は、粗利の50%以上(ローソンの場合)をロイヤリティとして本部に上納しなければならない。おのずと、人件費削減のために自らも長時間労働を続け、挙げ句に自殺か過労死…というケースも珍しくないのだとか。
コンビニ本部はFC店が増えれば増えるほどノーリスクで儲かる仕組みになっており、FC経営者を食い物にする「奴隷商法」と揶揄されている経営システムだ。私たちが気軽に立ち寄っているコンビニも、その内実は熾烈な弱肉強食の世界なのだということは理解しておきたいものだ。
余談だが、全国でこれほどまでに出店競争が激しいコンビニ(約52,000)より数が多いのが歯科医院(約68,000)なのだという。豆知識として…

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カテゴリ : 経済産業