35mmフィルムが絶賛風化中

ある物を探すためガラクタ箱をひっくり返していたら、未現像のリバーサル(ポジ)フィルム5本とモノクロネガフィルム1本が出てきた。ベロが出ていないので撮影済みなのは間違いないが、どこで何を撮ったものやら全く覚えていない。
業務では2005年頃にはRAW現像を前提としたデジカメ撮影にほぼ移行していたが、一部のブツ撮り(商品撮影など)の時にはフィルムを使用することもあったため、これらもそれ以前に使用したことになる。しかし、そもそも業務撮影で未現像なのは考えられないので、おそらく私的に撮ったものだろう。
しかもフィルムは冷暗所保管が鉄則なのに、裸のまま常温で何度の夏を越したものやら…。
それはともかく、「プロビア」や「ベルビア」なんて名前、今となっては非常に懐かしい。カメラ付きケータイやスマホを始め、高画質のコンパクトデジカメが雨後の筍のごとく登場、今や日本中が「一億総カメラマン」状態である。20年前にはカメラを持ち歩いているというだけで「カメラ小僧」や「オタク」呼ばわりされたものだが、世の価値観もずいぶん現金なものだ。
フィルムカメラが当たり前だった頃、特にポジ使用時の高速連写などは心臓がバクバクしたもので、時には数万円ものフィルム代が一度に飛んでいったものだ。しかも、デジカメのように液晶モニタなどないため、写りを頭でイメージしながら露出設定しなければならない。ずいぶん金はかかったが、しかし「写真を撮る醍醐味」という意味では今の比ではなかった。
一方、フィルム交換という手間もなく、何度でも撮り直しができるのはデジカメの絶対的長所。メーカーの「画素数戦争」も一段落し、職業写真家も当たり前のようにデジカメを使用している。ただし、画をピクセルで表現している以上、やはり銀塩フィルムと全く同じ質感は出せないまでも「遜色ない」と言っていい状態にまで達しているのは確かだ。
今やフィルムカメラに戻る、あるいは使用する理由や必然性は皆無になり、愛機だったニコンF4はとうの昔に更迭処分(?)となった。手放すつもりもないが、また日の目を見る時が…来ないだろうな。

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カテゴリ : 業務関連