ちょっと怖い「エゴサーチ」

便利なのか「余計なお世話」なのか…
インターネット検索で自身の名前を入力(エゴサーチ)すると、無関係の犯罪行為を連想させる単語が表示される…として日本人男性が米グーグルの「サジェスト機能」の差し止めを求めた訴訟の控訴審で、原告の逆転敗訴判決が出たという。(最下部に報道記事)
「一人の原告の不利益より、圧倒的多数である他の利用者の利益が優先」という判決論旨だが、原告男性には気の毒とはいえ当然の判断だろう。そうでなければ「キリがない」話になってしまい、多数決が大原則である民主主義社会の秩序は崩壊してしまう。
今回の訴訟は、原告男性が過去の犯罪者と同姓同名だったために迷惑を被ったのだろうと思われるが、つくづく現代のネット社会は恐ろしいと思う。
現在の報道機関は、犯罪者が罪を償って社会復帰した場合、その過去をリセットしたと考えるのが主流だ。そのため、再犯して逮捕や起訴された容疑者名を報道する時にも「前科○犯」は決して付言しない。
一方で、新聞のウェブ版などに一度でも実名が載ってしまえば、その記事が削除されない限り半永久的に公開され続け、検索されるとすぐに過去の犯罪があぶり出されるというのだから奇妙な話ではある。
ところで今回、試しに自身の名前を検索してみたら…

…う~む、なんだか微妙。名前自体が中途半端なのか…
東京高裁、「グーグル検索予測」差し止めず逆転判決 「他の利用者に不利益」
インターネット検索で単語を入力すると、別の語句を予測し、並べて表示する米グーグルの「サジェスト機能」で名誉を傷つけられたとして、日本人の男性が表示差し止めなどを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は15日、表示を禁じた一審東京地裁判決を取り消し、男性側逆転敗訴を言い渡した。男性側は上告意向。
鈴木健太裁判長は「表示による男性の不利益が、表示を削除することでグーグルや他の利用者が受ける不利益を上回るとはいえない」と述べた。
男性側は「氏名を入力すると、無関係の犯罪行為を連想させる単語が表示される」と提訴。一審判決は「男性の名誉毀損やプライバシー侵害に当たる違法な投稿記事を閲覧しやすい状況を作り出している」として、差し止めを命じた。
鈴木裁判長は、表示が男性の人格権を侵害することは認めたが「削除は権利侵害の防止を超えて、他の利用者の利益を制約する」と指摘。「表示それ自体が名誉を傷つけたり、プライバシーを侵害したりするとはいえず、不法行為も成立しない」とした。
(産経新聞 2014.01.15)
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カテゴリ : 時事社会