雪国ドライバーのタイヤ交換

今朝、ついに札幌市内に雪が積もった。初雪観測は14日で、1876年の観測統計開始以来で史上3番目、戦後では最も遅い初雪になったという。
で、地元紙・北海道新聞の記事を読んで仰天した。

いやはや、タイヤ交換に6時間待ちとは…

ちなみにこれは、専用の機械が必要な「タイヤの組み替え」の話ではなく、ホイールが付いた別タイヤとの単純な交換作業の話である。「スペアタイヤとの交換」と言えば分かりやすいか。
この手(タイヤ交換大忙し)の話題は毎年恒例で、冬の前後の風物詩として取り上げられるのだが、その度に「そのくらい自分でやろうよ」と思ってしまう。カー用品店やガソリンスタンドに依頼すると交換料は1本500~700円程度ではあるが、そのためだけに6時間も待ち続けるのは明らかに金と時間の無駄だろう。
ところが、タイヤ交換を自分でやらない人たちの理由は、ほとんどが判で押したように「面倒」「腰が痛い」「ガソリンを入れるついで」なのだという。しかし、店に行くためにタイヤ4本を車に積み込むのはドライバー自身である。だったら、その勢いでやってしまえばいいのだ。
とはいえ、どうやら多くが「やらない」のではなく、「やれない」か「やったことがない」という方が正しい表現のようだが、タイヤ交換は車の整備の中でも「初歩中の初歩」だ。走行中、道路に落ちているクギを拾ってパンクしてしまう可能性は誰にでもあるが、そんな時にもJAFを呼び、場所によっては数時間も待ち続けるというのでは、いかにも情けない話である。
雪国に限らず、全国で市販される車には必ず「スペアタイヤ」と「車載工具」が備わっている。それはすなわち、ドライバー自身がタイヤ交換することを前提としているためだ。ということは、何ら難しい作業ではないことを意味している。
私の知人には「店に持っていく方が面倒」だと、女性ながらも自分でやってしまう人が何人もいる。一方、「こだわりの外国車」を乗り回しながら、タイヤどころかバルブの交換すら業者に頼むという「自称、クルマ好き」の男もいたりする(笑)
これは完全なる独断と偏見による話だが、過去に多くの人の車(助手席)に乗った経験から、運転技術と整備経験の有無は比例しているように思える。ここでいう運転技術とは、レーサー気取りの「ぶっちぎり走行」ができるということではなく、車庫入れなどに必要な「車両感覚」、周りの交通を常に把握できる「状況判断」、そして、咄嗟の時に危険を回避できる「反射神経」を備えているという意味だ。
自分の愛車のケアを他人(業者)任せにしている男の運転は、たいてい不安を感じてしまう。どんな高級車に乗っていても、これでは同じ男としても興醒めである。これによって人格までも否定するつもりもないが、整備士資格や特殊工具を持たなくても、できることはたくさんある。その第一歩として、まずはタイヤ交換へのチャレンジを勧めたい。検索すれば「指南サイト」はたくさん出てくるのだから…。
ちなみに、ネット上(Yahoo!知恵袋)ではこんな議論も…
「自分で車のタイヤを交換できない男って情けないですか?」
【追記】(お詫びと訂正) 11/11/21
よく調べてみると、現在の市販車の中にはスペアタイヤを搭載していない車種も少なからずあるようだ。その理由に「タイヤ交換を自力でできる人が減少し、ほとんどのスペアタイヤが一度も使われないまま廃棄され、しかも重量増加によって燃費を悪くしている」ことが挙げられている。
(出典:(「なぜ最近の新車にはスペアタイヤが載っていないの?」)
よって、本文中の「必ずスペアタイヤが備わっている」旨の記述は事実誤認に基づいたものと認め、ここにお詫びして訂正する。
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カテゴリ : 時事社会