日本人は生(ナマ)が好き

牛の肝臓(レバー)の内部から食中毒の原因となる腸管出血性大腸菌「O157」が検出されたことが、厚生労働省の調査により分かった。焼き肉チェーン店による「ユッケ集団食中毒事件」を受けての調査結果で、20日の審議会で対処を検討するようだが、これまで同省が飲食店に販売自粛を求めていた牛の生レバーは、いよいよ「禁止」になる可能性が出てきたようだ。
レバーもユッケも食べない私には特別な危機感はないが、こういうニュースを見聞きする度に「日本人って本当に生(ナマ)が好きなんだなぁ…」と思ってしまう。人気の生食は数あれど、その代表格はやはり「生卵」だろう。
かれこれ25年前の話である。私が米国に滞在していた際に日本食が恋しくなり、スーパーで買ったカリフォルニア米で「卵かけご飯」を作ってみた。だが、それを見ていた学生寮のルームメイト(米国人)は“Oh, Jesus Christ!”(げげっ、何てこったい!)と、卵を生で食べたことに驚愕していたが、翌日はしっかり食中毒で倒れた。
日本の卵がいかに「生食できる」ほど品質や鮮度が高いかということだが、それ以前に米国では多くの感覚として「ゲテモノ扱い」であった。生卵でさえこうなのだから、特に次の3つなどは世界に衝撃を与える食文化なのではないだろうか。
【活け造り】 魚やエビを最後まで生かしたままで捌き刺身に作ったもの。古くからこの調理法が行われている日本では、社会的に虐待性を認識されることはほとんど無い。また、食文化や動物愛護に関する考え方の違いから、オーストラリアでは食材を生きたまま料理する様子を公衆に見せることは処罰の対象となっている。(Wikipediaより一部抜粋)
【躍り食い】 魚介類を生きたまま食べること。ただし、その場合であっても、ウニやホヤ、カキなど食材に動きがないものは踊り食いとはいわない。特にホタルイカやシロウオなどは丸ごと食べるため、衛生当局により寄生虫感染の注意が呼びかけられている。(同・一部改変)
【活いか踊り丼】 北海道「函館朝市」名物の海鮮丼のひとつ。まだ完全に死んでいないイカのゲソ部分に醤油をかけ、刺激で悶絶するような反射現象を視覚的に楽しみながら食べる。なお、「醤油にワサビを溶くとさらに刺激が増し、イカの動きも大きい」という事情通も…。
たはは…。特に欧米の動物愛護家などが見たら卒倒するような画かも知れないが、我が国の食文化だと言ってしまえばそれまでだろう。ただ、動物を食べること自体は万国共通ながら、生というより「生きたまま食べる」ことに生理的嫌悪感を抱く人は日本人でも少なくない。
どう感じるかは個々の主観だが、このような食習慣を「残忍」と結びつけられなければいいのだが…。
ちなみに、かつては日本独特の悪しき食文化(?)として「女◇盛り」なんてのもあったのだが、さすがにこれは日本の恥とも言えるので自主規制した。
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カテゴリ : 時事社会