様変わりした「クルマの魅力」

日本自動車工業会公認として北海道初となる「札幌モーターショー2012」が札幌ドームで開幕し、国内外38メーカーによるコンセプトカーなど約180台が並んだ。開催は3日間。
クルマはもちろんだが、バイク乗りにとっても興味津々のイベントである。イギリスの二輪メーカー「トライアンフ」も出展するとのこと。

同社が大宣伝している今年の超目玉新車「Tiger Explorer」を楽しみにしていたのに、「すいませ~ん、まだ日本に届いてないんですよぉ」だと…もうガックリ。とても「欲しくなる価格」ではないが、せめて跨がってみたかった…。
気を取り直して各社のブースを見て回るが、あまりの人だかりに写真を撮るのもままならず。混雑するであろう土日を避けたつもりだったが、それでもワンサカの「大盛況」である。地元紙によると、開場から2時間で来場者は1万人を超えたという。

北海道には相応しくない人口密度
このモーターショーで今さらながら思い知らされたのは、今や「エコカー」は世界スタンダードになりつつあるということだ。あのポルシェまでがハイブリッドカーを作っていたとは驚きである。
「最近は若者のクルマ離れが進み~」とはよく聞くが、長引く不景気の影響もあり、新車販売台数はずっと伸び悩んでいるようだ。ただ、衝突安全性を考慮した結果、ほとんどの国産車が「丸みを帯びたデザイン」ばかりの没個性になってしまったようにも感じる。個人的に、欲しいと思えるクルマが十何年も出てこないのだ。

「AMG」の個性は健在か
何やら国産の出展車の中には「自動で車庫入れしてくれるクルマ」もあったようで、明らかに「“進化”を履き違えている」ような機能ばかりが目立つようになった。確かに、一昔前のような「遊び」を前提にしたクルマ造りをする時代でもないのだろうが、「クルマの魅力」のベクトルが確実に変わってきたのは間違いない。
これで人並み以上に「クルマを操る楽しさ」を覚えた経験から、また、その頃は国産メーカーのエンジニアたちも客の「Fun」に応えていただけに、今のように安全性と経済性しか頭にない自動車産業に未来はあるのかと思ってしまう。今後、消費人口はますます減少するのに…。
だが、個人的な思想は別として、近未来のクルマ社会を想像することができたという意味では収穫も多かった。そして何より「北海道でモーターショー」、これがいちばんの衝撃である。
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カテゴリ : 経済産業