駆け込み退職

退職手当の引き下げを盛り込んだ改正条例の施行前に、駆け込み退職を希望する事例が全国で相次いでおり、教員や自治体職員、さらには警察官にもその動きは広がっているという。特に教員の場合、担任教師が卒業式にいないという可能性も指摘され、この問題は大きくなるばかりのようだ。
これほど賛否両論な話題も最近は珍しいのではないか。「公務員なのに職責を全うせず、損得で動いている」という批判がある一方で「公務員も一市民であり、ボランティアではない」と擁護する声も多い。
差額が100万円を超えるほどになると、どうしても天秤にかけたくなるのが人情というものだろう。しかし、それはあくまで「差額」で、中小企業と比較しても十分過ぎるといえる額を手にするのだ。
たかだが100万円のための駆け込み退職で「定年退職」とはならず、それまで築いてきた信頼を失い、晩節を汚すことになる…との意見には説得力がある。
しかし、どれほど美辞麗句を並べたところで、人間は金(生活)のために仕事をしているのも事実。このご時世に、老後の資金として少しでも蓄えておきたいと考えても不思議ではない。
そもそも、公務員の事業年度末は大半が3月末なのに、なぜこんな中途半端な時期に施行するのだろうか。こういう混乱は予想できたろうに…。
やはりこれは当事者ではなく「制度が悪い」の一言に尽きるだろうな。
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カテゴリ : 時事社会