ついに中国が「ネット実名制」へ

中国の国会が、ネットの利用者に対して身元情報の提出を求めるという事実上の“実名制”に踏み切ることを決めたという。(最下部に引用記事)
報道では「言論統制の懸念」とあるが、そもそも中国には“人権”という概念すらなく、新聞などメディアの言論統制すら当然とする国家である。実名制の導入も「何を今さら」という気がするが、中国政府にとっての最大の脅威が「ネット世論」なのは確かだ。
SNSなどでの呼びかけによる各種の市民デモが全土で頻発しており、政府はこのエネルギーが自らに向かうことを恐れているのはよく知られた話。大暴動が起きる前に先手を打ったということだろう。日本では、さすがに政府への批判が咎められることはないが、匿名性に乗じたブログ炎上や個人攻撃などの問題が尽きることはないようだ。
私自身もこのブログで様々な人物や事象を批判しているが、本名はもちろんのこと、リンクしている業務サイトでは住所や電話番号も公表して最低限の仁義は通しているつもりだ。(商売だから載せないわけにもいかないのだが…)
何かというと「個人情報」という言葉を乱用する現代社会の“秘密主義”には辟易するが、インターネットというツールの副産物のひとつなのだろう。中国ほどではないにせよ、いやな世の中になったものだ。
ネット利用者に「実名制」=言論統制の懸念も―中国全人代
【北京時事】中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)常務委員会は28日、インターネット利用者に身元情報の提出を求めることなどを盛り込んだ「ネット情報保護強化に関する決定」を採択した。この決定に基づき、関連法規が整備される。個人情報の保護が目的だが、事実上の実名制が言論統制につながると懸念も出ている。
決定によると、ネット事業者は利用者が発信する情報を管理し、法規に違反する情報は直ちに発信を停止、削除した上で、記録を当局に報告する義務が課された。違反した場合、罰金やサイトの閉鎖、営業許可の取り消しなどの処罰を受ける。
中国のネット利用者は5億人を超え、世論形成に大きな影響を与え、ネットを通じて幹部の腐敗を告発する動きも広がっている。しかし、実名制になることで「ネット世論」を萎縮させる可能性がある。
(時事通信 2012.12.28)
- 関連記事
-
- 隣国たちは「挑発」がお好き (2013/02/08)
- ありがとう台湾 (謝謝 臺灣) (2013/01/27)
- ついに中国が「ネット実名制」へ (2012/12/28)
- 銃規制はナンセンス? (2012/12/15)
- オバマ再選と日本の対米外交 (2012/11/07)
カテゴリ : 国際時事