見栄と意地だけの「北海道新幹線」

本日、北海道新幹線が開業した。
…と言っても、九州内を運行する九州新幹線とは違い、東北新幹線が延長して函館(北斗)に「届いた」というだけのこと。多くの道民にとっては「どうでもよい話」なのだが、道内各メディアは「全道民の悲願」のように誇張し、狂ったように報道している。
心から喜んでいるのは、青函トンネルを含めた建設工事や新幹線利権に群がる利害関係者くらいなものだろう。少なくても、「旅行やビジネス客が新幹線の道内延伸を待ちに待っていた」…わけではない。
その証拠に、開業日である本日ですら空席があり、今日から9日間の予約率も約25%だという。1982年に整備新幹線計画が凍結されて以来の「北海道の意地」だけであり、決して利用者の需要に応じて建設されたものではない。
「新函館北斗」という長ったらしい駅名についても過去に苦言と疑問を述べたように、利用者の利便性などクソ食らえ、観光資源はほとんどないのに見栄と自己顕示欲だけで「北斗」という文字をねじ込むなどの見苦しさも見せていた。
そのくせ、駅前開発はほとんど手つかずなので観光のしようがなく、ここで降りた客はほぼ例外なく北斗市から出ることになる。そして、新幹線開業に伴う本日のダイヤ改正では、道内ローカル線の運行体型が大幅に見直され、多くの地元住民の足を奪ってしまったのだ。
人工密度の低さは全国一、高速道路はガラガラ、一般道も渋滞とはほぼ無縁…交通移動者が極端に少ない北海道に、新幹線など必要ない。
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