北海道新聞(23日付朝刊)昨日(23日)の朝、北海道新聞を開いてびっくり仰天

自身が審判員として所属する少年野球連盟の某チーム監督が、選手に怪我を負わせたらしい。この記事だけでは事情が分からないので何とも言えないが、連盟はこの問題がしばらく尾を引きそうである。(最後部に報道記事)
ところで、少年野球の目的とは何だろう…。プロ野球や社会人野球と決定的に違うのは、
「(野球を通じた)教育」であるということだ。野球技術を習得させて身体を丈夫にし、集団競技として仲間を思いやる心を育み、人に対する礼儀や挨拶を覚えさせるのである。
ところが、現実にはこの目的から大きく逸脱した「勝利至上主義」に走る指導者は少なくないという。そして、保護者にも様々な問題点が見受けられ、学童野球の本質を理解していないケースが目立っているようだ。
以下に、指導者・保護者それぞれの「悪質な例」を、
Wikipediaの「少年野球」から引用してみる。(原文ママ、ただし誤字は修正)
【悪質な
指導者の言動例】
・ミスをした後に、「何年やってんだよ!」・チャンスで凡打した子供に「あれほどライナーを打てといっただろう!」・「教えなくても出来て当然」といった考えを持っており、出来ない子供に罵声、怒声を浴びせる。・結果が全てで、過程の評価を下さず、子供に失敗から学ばせようという姿勢が欠落している。・「点が入ったのはお前のせいだ」、「負けたのはお前のせいだ」といった暴言を吐き、ミスをした選手を起用したのは指導者であり、指導したのもまた自身であるという視点が欠落している。・挨拶や礼儀、道具の整理整頓といった事は指導しない。・「お前しかピッチャーはいない。イタイだ、カユイだ言うな!」などと子供の健康への配慮をしない。・短い時間の間に同じ失敗を繰り返している子に対して、叱ったり諭したりする事はなく最終的に出来たときにのみ褒める。【悪質な
保護者の言動例】
・相手チームの選手(子供)に大声で野次を飛ばす・打撃不振がつづくある選手にスクイズをさせて失敗した。試合後「うちの子は打撃が得意なのになぜ打たせなかった」と周囲に騒ぎ立てる。・審判の判定に対して大声で批判する。これは子供の教育上好ましくない事は当然として、学童スポーツは公式審判員以外にも、保護者がボランティアで参加している場合が多く、そのような批判はボランティアの参加意欲を低下させ、以後の大会運営に悪影響を与えるといった思慮がない。・ある監督が試合後、一人の男性に呼び止められ「あの投手はフォームを改造したほうが言い」「あの2人はボジションを入れ替えたほうがいい」「もっと走り込みをさせたら?」などと進言された。その人物と別れたのち、別の保護者から「○○君のお父さんです」と聞かされ驚いた。・指導者や他の保護者への的はずれの批判を声高に訴え、周囲に賛同を求め、全体の和を乱す。-引用ここまで-
試合を通じて指導者を見てきた審判にとっては、さながら「あるある集」みたいなものだが、確かに「そんな理不尽な

」と思うほどの叱責がベンチから飛んでくるのは日常茶飯事だ。ただ、選手たちも慣れっこなのか平気な顔をして聞き流している子ばかりで(心の中までは読めないが…)、怒鳴られて泣き出すという光景はほとんど見ない。
保護者の事例に関しては、少なくても試合中は熱心に応援こそすれ、大声での野次や批判を聞くことはなく、一定の礼節はわきまえている気はする。繰り返すが、あくまでも審判なので「試合中」しか分からないのだが…。
教育の場である少年野球とはいえ、ほとんどの指導者は教員免許などを持つ「教育のプロ」ではない。野球観も指導方法も十人十色なのだが、それは学校の教師も同様で、結局は「個性」ということになる。
どれほど口汚く罵る監督でも、それを保護者が了承して我が子を預け、子供たちもそんな監督を信頼して汗をかいているのであれば、部外者が価値観を押しつける必要はないのではないだろうか。(もちろん体罰なら許されないが…)
逆に言えば、それほど厳しい監督の下で卒団までやり抜けば、相当の胆力が身につくはずである。休日も一日中、室内ゲームばかりやっている子供に比べれば、はるかに強い精神力や社交性が身についていることだろう。また、昨今は子供を上手に叱れない親が増えているらしいが、「だからチームに預けている」という保護者も中にはいるのだ。
平日の夕方は練習、週末は試合でと、手弁当で子供たちに野球を教えている(コーチを含む)指導者は尊敬に値する。今回の「事件」の背景には、何らかの事情や偶然があったのではないかと思いたいのだが、こればかりは成り行きを見守るしかない。子供の怪我も含めて大事に至りませんように…。
少年野球の監督体罰か 札幌・手稲の小4転倒、頭骨折
札幌市手稲区の少年野球チームの男性監督(58)が5月中旬、指導していた小学4年の男子児童(10)のユニホームを引っ張って転倒させ、頭の骨を折るけがを負わせていたことが22日分かった。監督が他の選手に体罰を繰り返していたとの証言も複数あり、札幌手稲署が関係者から事情を聴いている。
複数の関係者によると、監督は5月20日夕、手稲区内のグラウンドで練習中、選手たちに対し、「整列の仕方が悪い」などと注意。その際、1人の男子児童を手前に引っ張り、転倒させた。児童は頭の右側を地面にぶつけ、帰宅後、嘔吐(おうと)を繰り返したため、病院で受診。「右側頭骨骨折」で全治1週間と診断された。その後、この児童は練習を休んでいる。これを受け、男子児童の両親らが札幌手稲署に相談。同署は両親や児童、他の保護者から話を聞くなど、事実関係の確認を進めている。
チームは1975年に結成され、軟式野球の全道大会で優勝したこともある名門。現在は、主に手稲区の同じ小学校に通う2~6年生の男女十数人が所属している。同区内に住む監督は自営業の傍ら、20年以上前から指導を行っている。
体罰問題で監督聴取へ 札幌・手稲区少年野球連盟
札幌市手稲区の少年野球チームの男性監督(58)が5月中旬、指導していた小学4年の男子児童(10)に頭の骨を折るけがを負わせた問題で、手稲区少年軟式野球連盟は23日夕にも、加盟する全12チームの責任者を集めた緊急会議を開き、この監督から事情を聴く。
同連盟は4月に指導者講習で体罰の撲滅策を話し合ったばかりという。大島克博会長(64)は「報道で知って驚いた。当日の状況を監督本人から詳しく聴きたい」と話した。また、札幌市少年軟式野球連盟の小室雅義会長(71)は「至急調査して今後の対応を検討する」としている。
男児がけがをしたのは5月20日夕の練習中で、監督にユニホームを引っ張られて転倒し、側頭骨を骨折した。監督が以前から体罰を繰り返していたとの証言もあり、札幌手稲署が関係者から事情を聴いている。
(いずれも北海道新聞 2014.06.23)