永遠も半ばを過ぎた

フリーデザイナー兼カメラマンの苦言・放言・一家言

大人になれない50歳

2014/06/30(月)
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昨日、東京・新宿区の歩道橋上で、集団的自衛権の行使容認に反対する男性が焼身自殺を図った(全治1ヶ月)ことに際し、北海道議会議員(自・帯広市)の小野寺秀(まさる)氏(50)がツイッターで開陳した自説がネット上で賛否両論の反響を呼んでいる。発端となった「つぶやき」は、以下のとおり。

小野寺まさる @onoderamasaru
集団的自衛権に反対して焼身自殺と?…これは公衆の場での迷惑極まりない行為であり、明らかに犯罪だ。又、死にきれずに多大な方々に迷惑をかけた愚行だが、これを「三島事件」と同列に扱うマスコミは完全にイカれている。日本の将来を憂いた国士と日本解体を目論む団塊の世代崩れは真逆の存在である。 (→ 当該ツイート)


自己主張をする方法は他にいくらでもあり、歩道橋上でガソリンをかぶって火をつけるという行為は、無関係の市民に「巻き添え引火」する可能性もあったわけで、決して正当化されるものではない。

また、目撃者の証言によると「消防車の到着を確認してから火をつけた」ようで、だとすれば「狂言自殺」という名の単なるパフォーマンスである。小野寺氏の発言の「主旨」は間違っていないのだが、しかし物事には立場や年齢をわきまえた「言い方」というものがあるわけで…。

そろそろ51歳になろうとしている公人のわりには言葉を選べず、思ったままを正直に書きすぎているのは確かだ。さらに、ツイッターで批判をしてくる人間には挑発的な言葉を返してブロックするという、人間としても政治家としても大人げないその対応に、一部のネット住民は怒り心頭の様子である。

思わず「この人は相変わらずだなぁ…」と口走ってしまった。私には小野寺氏の言動によって人生が変わってしまった過去があるのだが、だからこそ氏の思考回路もよく分かり、今回の騒動も「彼らしい」と思わざるを得ないのだ。

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この小野寺氏、地方議会では総じてレベルの低い自民党の中では珍しく仕事ができるタイプで、また「日本国を愛し、誇りを持っている」という意味ではイデオロギーの「方向性」にも共感している。しかし、いかんせん自己表現がストレートすぎるために各方面で軋轢を生んできたのも事実だ。

道議会をよく取材している某道内メディアの記者は、小野寺氏を「政策能力ではピカイチ」としながらも「キャンキャン吠えるスピッツみたいな議員」と表現し、同じ自民党会派の先輩議員も「あいつの言動は唯我独尊すぎる。いつか鼻っ柱を折られる」と呆れている。そして両者とも口を揃えて「品格さえ身につけば議員として怖い者なしなのに…」と残念がっている。

どうやら「オレに意見や批判をする人間は絶対に認めない」という、民主主義や思想・言論の自由を否定してしまうところがあるようで、たとえ相手が一般市民(有権者)であっても容赦なく刃(やいば)を向ける人だ。(自身の経験談。後に形式的な和解をしたが…)

建前上、議員は「市民の公僕」という立場だが、事実上は議員の方が圧倒的な力(公権力)を持つ。それを背景に、力ずくで市民をねじ伏せるやり方は決して支持されるべきではない。ツイッターでは「10年以上道議で、この姿勢でトップ当選ですから」と虚勢を張っているが、少なくても自分で票田を開拓したわけでもない世襲議員が言うセリフではない。

そもそも、件のツイートは「政治家が発した」からこそ騒ぎが大きくなっているのだが、公人たる議員など「批判されてナンボ」である。これをスルーできず、いちいち本気で反応する余裕のなさが自身で火に油を注いでいる。というより、これまでも幾度となくツイッター発言で炎上を誘い、応援メッセージは全てリツイートして表示させるなど、自己顕示と承認欲求がかなり強い性格のようだ。

ちなみに、件のツイート以降の否定意見者に対する発言を抜粋してみると…

・貴方がキチガイと直ぐにわかりました!では!
・貴方の馬鹿ツイートよりはましでしょ?
・貴方のような世間知らずの偽善者は最悪ですな…
・箸にも棒にもかからない「難癖」ばかりですな。では!
・政治家は無礼な馬鹿に「馬鹿」と言ってはいけないと?
・何だ?貴様は…
・無礼者に無礼を振る舞っているだけ。
・それを貴方がジャッジと?貴方は何様?
・道理が分からぬ道民は日本の恥…
・何を謝罪するのです?馬鹿ですな…貴方は…
・お前が札幌に来い
・確かに“阿呆質問”ですからね…
・ウザイ無礼な馬鹿はブロックしますね。では!
・妄想馬鹿発見…(笑)
・はいはい…お勉強し直しなさいな…貴方…では!
・余計なお世話…(笑) 捨てアカの卑怯な方に説得力無し…
・馬鹿サヨ発見…
・馬鹿は即ブロックの方向で…さらば!
・本質議論の出来ない“揚げ足馬鹿”発見!
・唖然レベルの馬鹿サヨ発見!
・この手の馬鹿は余りに執拗であり、察するに何らかの信者であろう。
・…っていう貴方の低脳ぶりに脱帽!
・シタリ顔の馬鹿発見!
・相手陣営も馬鹿すぎる仲間にはげんなりの筈…(笑)
・本当に気持ち悪い粘着質の信者さん達ですな…
・貴方は似非日本人ですね?
・あんまり調子にのらないことですよ…坊や…(笑)
・馬鹿なこの方のツイートは、好都合なのでスルーの方向で…(笑)
・頭がおかしいのは恥の概念も無い貴方ですな…(笑)
・別に貴方に信用される必要はありませんから

まったく…「馬鹿発見!」とか、子供かよ…まさに売り言葉に買い言葉の憎まれ口だが、道民の代表である「道議」としての発言は、すなわち「道民の発言」とみなされてしまうことを分かっているのだろうか…。

「言論の府」である議会に身を置く以上、(好むと好まざるとに関わらず)論理的な批判であれば甘んじて受け入れるか、理性的に反論する度量があってしかるべき。議員という立場の人間が喧嘩をする相手は一般市民ではないはずだし、そもそもツイッターで喧嘩をしているヒマもないはずだ。

ツイッターでのやり取りを客観的に見ていると、批判と中傷の区別もせずに人を貶めて勝った気でいるようだが、「どっちもどっち」の五十歩百歩である。しかも、相手を煽っているつもりが、自身の「煽り耐性のなさ」を露呈してしまっている。攻撃の矛先を間違わぬよう、道民として切に願いたい。

※小野寺氏がこの記事を読んだら、また名指しで報復してくるのかな…(笑)

カテゴリ : 政治選挙

「交通反則金」は貴重な収益源

2014/06/28(土)
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これは正義の行使なのか、確執の余波なのか、ただの自己顕示なのか―。
京都府警のパトカーが緊急走行中に速度超過をしたとして、運転していた男性巡査長が兵庫県警に検挙されたそうな…。(最後部に報道記事)

「関西の警察本部は仲が悪い」という話を聞いたことがあるが、それ故に「縄張りを侵した」のがまずかったのだろうか…。何にせよ、仲間であるはずの警察官を道交法で検挙とは珍しい。さすがに覚醒剤や殺人などの反社会的犯罪ならば放っておけないだろうが、緊急走行中の速度超過であれば目をつぶるものだと思い込んでいた。

結果的に不起訴処分で事なきを得たが、書類送検するということは「起訴が前提」なわけで、この巡査長は危うく懲戒免職になる可能性もあったことになる。兵庫県警に言わせれば、「緊急走行+速度超過の理由としては弱すぎた」ということなのだろうが、警察官に対してもこうなのだから、捕まった一般ドライバーが泣いて頼んでも見逃してくれないのは当然だろう。

ところで、交通取り締まりの目的は言うまでもなく「事故の防止」と「円滑な交通の確保」である。しかし、その本質を無視した「努力目標」という名の検挙ノルマが課せられているため、「検挙ありきの取り締まり」が全国で横行しているのはよく知られている話だ。

今回のニュースを見て、私は10年前に道警交通機動隊・砂川分駐所と大喧嘩したのを思い出した。30代半ばになりながらの「若気の至り」ではあったが…。

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詳しくダラダラと書く必要もないので端折って概略を説明すると…

1.平成16年9月23日19時前、砂川市内の国道12号線上において隠れて定点測定していた交通機動隊のパトカーに、16km超過の容疑で止められる。

2.走行時の詳細は割愛するが、検挙理由に納得できなかった私は青キップ処理を拒否。裁判で取り締まりの不当性を訴えるため、私は「事件化」を要求、現場検証の後に供述調書を作成して札幌地裁に書類送検された。

3.同時に、私も札幌地検に対し「必ず起訴してほしい」と上申書を送付したが、結果は不起訴(起訴猶予)処分となり終了。刑事処分(罰金)は見送られたが、行政処分(違反点数の累減)は撤回されずという不本意な結果になった。


自営業の独身という「失うものがない」状況だったとはいえ、望んで刑事被告人になろうとしていたのだから思い返すと苦笑する。だが自分の性格を考えると、また同じ状況に遭遇すれば同じことをするんだろうな…。

それにしても、昭和42年に警察庁から全国の警察本部に発付された「依命通達」はもう無効になっているのだろうか…。

(一部抜粋)
1)交通取締り指導のあり方
 交通指導取締りにあたっては、いわゆる点数主義に堕した検挙のための検挙あるいは取締りやすいものだけを取締る安易な取締りに陥ることを避けるとともに、危険性の少ない軽微な違反に対しては、警告による指導を積極的に行うこととし、ことさら身を隠して取締りを行ったり、予防または制止すべきにもかかわらず、これを黙認してのち検挙したりすることのないよう留意すること。


交通違反(反則金)が「ドル箱」である以上、警察官としての欲望が最優先なのだろうが、それにしても現場の裁量権が強すぎるような気もするが…。


スピード違反:145キロで緊急走行…パトカーに赤切符

赤色灯を点灯しサイレンを鳴らしてもスピード違反で赤切符――。京都府警高速隊員が運転するパトカーが兵庫県内の高速道路で緊急走行中、速度違反自動監視装置(オービス)に速度45キロ超過と測定され、兵庫県警に道路交通法違反(速度超過)容疑で検挙されていたことが27日、分かった。府警は5月中旬、このパトカーを運転していた20代の男性巡査長を所属長訓戒、同乗の40代の男性巡査部長を本部長注意とした。警察庁によると、緊急走行中のパトカーが速度違反で検挙されるのは極めて異例という。

 ◇兵庫の高速道路で

府警などによると、2人は2月2日午後2時50分ごろ、高速道路上で発生した当て逃げ事故の通報を受け、事情を聴くために通報者が待機する中国自動車道西宮名塩サービスエリアに向けて急行。その際、高速道での緊急時最高速度が時速100キロ(取り締まり地点の法定速度は80キロ)だったのに145キロで走行した。府警高速隊は「被害の全体像が見えない中、一刻も早く通報者の元に到着しようとしてしまった」と説明している。

道交法では、交通違反車両の取り締まりや凶悪犯の追跡など、警察車両の緊急時最高速度の超過を例外的に認めているが、検挙した兵庫県警では「現場に早く到達しなければならない緊急性があるなら、他府県警と連携すればよいことで、速度超過の正当性はない」と判断。3月14日に神戸区検に書類送検し、同区検は同25日に不起訴処分(起訴猶予)とした。府警監察官室は「再発防止に努める」とコメントした。

 (毎日新聞 2014.06.28)


カテゴリ : 時事社会

政党名あれこれ

2014/06/26(木)
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7月にいったん解散後、分党する予定の「日本維新の会」。事実上「出て行く側」の石原慎太郎・共同代表グループは、新党名を「次世代の党」とすることを発表した。(最後部に報道記事)

じ、次世代の党って… ネット上では「爺世代の党」とからかわれているが、どうやら「次世代の(ために頑張る)党」ということらしい。しかし、当初は84案も出された候補の中から勝ち残った名称にしては「なんだかなぁ…」と思ってしまうのは私だけではないはず。

それにしても、最近の政党のネーミングには「~の党」というパターンが流行っているようだ。「みんなの党」「生活の党」「日本未来の党」「太陽の党」「結いの党」などが挙げられるが、「みんな」や「結い」はともかくとしても、他の党名には「の」という助詞を入れる必要性を感じないのだが…。

だが、それ以上に脱力したネーミングだったのが、今は亡き「たちあがれ日本」や「国民の生活が第一」である。ここまで来ると固有名詞というより「文」に近いが、前者は年配議員の多さから「立ち枯れ日本」と揶揄され、後者は民主党の離党組にも関わらず、当時の民主党のキャッチコピーをそのままパクったという不見識ぶりが話題になった。

そして、政党名という意味で私が一生忘れない出来事が、1994年にあった。

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当時の政治・選挙情勢により、「新生党」「民社党」「自由党」「高志会」などの野党各党は、合流して新党を結成する必要に迫られていた。これに注目していたメディア各社は「新・新党の行方は?」というニュアンスで連日報道していた。(なぜ「新・新党」という表現になったのかは失念したが…)

そして、いよいよ「新・新党」が船出することになり、最初の全党大会で大々的に発表された党名が…「新進党」(しんしんとう)。これには日本中が吹き出した…かどうかは定かでないが、当時の私は「これは小沢(一郎)の精一杯のギャグに違いない」と妙に関心したものだ。

党名の傾向という意味で他にも目立っているのが、党名に「新党」を含めることである。ざっと挙げるだけでも「国民新党」「新党大地」「新党改革」「新党日本」「新党さきがけ」「保守新党」「日本新党」「公明新党」「新党きづな」「新党友愛」「新党平和」「新党みらい」など。(この他に「日本創新党」なんてのもあったが、これは分解すると「日本・創・新党」ではなく「日本・創新・党」なので例外とする)

世が新党ブームだったとはいえ、名称にも「新党」をつけるセンスはどうなのか。この言葉は文字通り「新しい党」のことを表現した熟語として使われるべきはずで、これでは「5年経っても『新党』とは、これいかに」である。とはいえ、これらの中に(国政政党として)5年も保った党は皆無で、結局は「新党のまま消えた」というオチがつくのだが…。(※大地は地域政党に「降格」)

何にせよ、人口が1億人程度の日本に、政党が乱立しすぎである。今日現在、国会に議席を有する政党(政治団体を含む)が13党あり、その中で衆参合わせても所属議員が10人に満たないのが6党もある。無節操な離合集散を繰り返してなお「烏合の衆」である国会勢力の現状には呆れるばかりだが、よく考えれば日本は2012年まで「年一回、首相が替わる国」だった。さもありなん…


石原グループ:新党名は「次世代の党」

解散し分党する日本維新の会の石原慎太郎共同代表のグループは26日、国会内で記者会見を開き、新党の党名を「次世代の党」にすると発表した。石原氏は「若い人が将来に期待を持てる社会にしていくことが私たちの大きな責任だ」と、命名の狙いを述べた。

党名は石原新党に参加する全議員から計84案が提出され、24、25両日に各議員が3案ずつ選ぶ投票を実施。「次世代の党」「自由立憲党」「新党富士」「日本改新党」「黎明日本」の上位5案に絞られていた。

26日に開かれた石原氏ら7議員による党名策定委員会では投票は行わず、5案から全会一致で「次世代の党」に決めた。

石原新党には22人(衆院19人、参院3人)が参加する予定。7月中に新党の規約や綱領を決め、8月上旬に正式発足する。現在は暫定執行部のため、9月上旬に代表選を実施して執行部体制を固め、9月中旬に結党大会を開く。 

 (毎日新聞 2014.06.26)


カテゴリ : 政治選挙

少年野球という「教育」

2014/06/24(火)
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北海道新聞(23日付朝刊)

昨日(23日)の朝、北海道新聞を開いてびっくり仰天
自身が審判員として所属する少年野球連盟の某チーム監督が、選手に怪我を負わせたらしい。この記事だけでは事情が分からないので何とも言えないが、連盟はこの問題がしばらく尾を引きそうである。(最後部に報道記事)

ところで、少年野球の目的とは何だろう…。プロ野球や社会人野球と決定的に違うのは、「(野球を通じた)教育」であるということだ。野球技術を習得させて身体を丈夫にし、集団競技として仲間を思いやる心を育み、人に対する礼儀や挨拶を覚えさせるのである。

ところが、現実にはこの目的から大きく逸脱した「勝利至上主義」に走る指導者は少なくないという。そして、保護者にも様々な問題点が見受けられ、学童野球の本質を理解していないケースが目立っているようだ。

以下に、指導者・保護者それぞれの「悪質な例」を、Wikipediaの「少年野球」から引用してみる。(原文ママ、ただし誤字は修正)

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【悪質な指導者の言動例】
・ミスをした後に、「何年やってんだよ!」
・チャンスで凡打した子供に「あれほどライナーを打てといっただろう!」
・「教えなくても出来て当然」といった考えを持っており、出来ない子供に罵声、怒声を浴びせる。
・結果が全てで、過程の評価を下さず、子供に失敗から学ばせようという姿勢が欠落している。
・「点が入ったのはお前のせいだ」、「負けたのはお前のせいだ」といった暴言を吐き、ミスをした選手を起用したのは指導者であり、指導したのもまた自身であるという視点が欠落している。
・挨拶や礼儀、道具の整理整頓といった事は指導しない。
・「お前しかピッチャーはいない。イタイだ、カユイだ言うな!」などと子供の健康への配慮をしない。
・短い時間の間に同じ失敗を繰り返している子に対して、叱ったり諭したりする事はなく最終的に出来たときにのみ褒める。

【悪質な保護者の言動例】
・相手チームの選手(子供)に大声で野次を飛ばす
・打撃不振がつづくある選手にスクイズをさせて失敗した。試合後「うちの子は打撃が得意なのになぜ打たせなかった」と周囲に騒ぎ立てる。
・審判の判定に対して大声で批判する。これは子供の教育上好ましくない事は当然として、学童スポーツは公式審判員以外にも、保護者がボランティアで参加している場合が多く、そのような批判はボランティアの参加意欲を低下させ、以後の大会運営に悪影響を与えるといった思慮がない。
・ある監督が試合後、一人の男性に呼び止められ「あの投手はフォームを改造したほうが言い」「あの2人はボジションを入れ替えたほうがいい」「もっと走り込みをさせたら?」などと進言された。その人物と別れたのち、別の保護者から「○○君のお父さんです」と聞かされ驚いた。
・指導者や他の保護者への的はずれの批判を声高に訴え、周囲に賛同を求め、全体の和を乱す。

-引用ここまで-

試合を通じて指導者を見てきた審判にとっては、さながら「あるある集」みたいなものだが、確かに「そんな理不尽な」と思うほどの叱責がベンチから飛んでくるのは日常茶飯事だ。ただ、選手たちも慣れっこなのか平気な顔をして聞き流している子ばかりで(心の中までは読めないが…)、怒鳴られて泣き出すという光景はほとんど見ない。

保護者の事例に関しては、少なくても試合中は熱心に応援こそすれ、大声での野次や批判を聞くことはなく、一定の礼節はわきまえている気はする。繰り返すが、あくまでも審判なので「試合中」しか分からないのだが…。

教育の場である少年野球とはいえ、ほとんどの指導者は教員免許などを持つ「教育のプロ」ではない。野球観も指導方法も十人十色なのだが、それは学校の教師も同様で、結局は「個性」ということになる。

どれほど口汚く罵る監督でも、それを保護者が了承して我が子を預け、子供たちもそんな監督を信頼して汗をかいているのであれば、部外者が価値観を押しつける必要はないのではないだろうか。(もちろん体罰なら許されないが…)

逆に言えば、それほど厳しい監督の下で卒団までやり抜けば、相当の胆力が身につくはずである。休日も一日中、室内ゲームばかりやっている子供に比べれば、はるかに強い精神力や社交性が身についていることだろう。また、昨今は子供を上手に叱れない親が増えているらしいが、「だからチームに預けている」という保護者も中にはいるのだ。

平日の夕方は練習、週末は試合でと、手弁当で子供たちに野球を教えている(コーチを含む)指導者は尊敬に値する。今回の「事件」の背景には、何らかの事情や偶然があったのではないかと思いたいのだが、こればかりは成り行きを見守るしかない。子供の怪我も含めて大事に至りませんように…。


少年野球の監督体罰か 札幌・手稲の小4転倒、頭骨折

札幌市手稲区の少年野球チームの男性監督(58)が5月中旬、指導していた小学4年の男子児童(10)のユニホームを引っ張って転倒させ、頭の骨を折るけがを負わせていたことが22日分かった。監督が他の選手に体罰を繰り返していたとの証言も複数あり、札幌手稲署が関係者から事情を聴いている。

複数の関係者によると、監督は5月20日夕、手稲区内のグラウンドで練習中、選手たちに対し、「整列の仕方が悪い」などと注意。その際、1人の男子児童を手前に引っ張り、転倒させた。児童は頭の右側を地面にぶつけ、帰宅後、嘔吐(おうと)を繰り返したため、病院で受診。「右側頭骨骨折」で全治1週間と診断された。その後、この児童は練習を休んでいる。これを受け、男子児童の両親らが札幌手稲署に相談。同署は両親や児童、他の保護者から話を聞くなど、事実関係の確認を進めている。

チームは1975年に結成され、軟式野球の全道大会で優勝したこともある名門。現在は、主に手稲区の同じ小学校に通う2~6年生の男女十数人が所属している。同区内に住む監督は自営業の傍ら、20年以上前から指導を行っている。

体罰問題で監督聴取へ 札幌・手稲区少年野球連盟

札幌市手稲区の少年野球チームの男性監督(58)が5月中旬、指導していた小学4年の男子児童(10)に頭の骨を折るけがを負わせた問題で、手稲区少年軟式野球連盟は23日夕にも、加盟する全12チームの責任者を集めた緊急会議を開き、この監督から事情を聴く。

同連盟は4月に指導者講習で体罰の撲滅策を話し合ったばかりという。大島克博会長(64)は「報道で知って驚いた。当日の状況を監督本人から詳しく聴きたい」と話した。また、札幌市少年軟式野球連盟の小室雅義会長(71)は「至急調査して今後の対応を検討する」としている。

男児がけがをしたのは5月20日夕の練習中で、監督にユニホームを引っ張られて転倒し、側頭骨を骨折した。監督が以前から体罰を繰り返していたとの証言もあり、札幌手稲署が関係者から事情を聴いている。

 (いずれも北海道新聞 2014.06.23)


カテゴリ : 野球審判

塩村あやか議員へ「公開私信」

2014/06/23(月)
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東京都議会議員(みんなの党) 塩村あやか 様  塩村文夏

前略
お久しぶりですね。貴女と初めてお会いしたのが2012年6月25日ですから、もうかれこれ2年になりますか…。

当時の私は、保健所における放棄ペットの殺処分を取材・撮影した動画を発表したり、ペット産業の知られざる実態を暴露した報道サイト「ペット残酷列島」(現在は閉鎖)を運営する副業ジャーナリストでしたが、従前より動物愛護に強い関心を持っていた貴女は、そんな私に対して「詳しい話を聞きたいから」と、「あごあしまくら」(食費・交通費・宿泊費)つきで東京に招待して下さいました。

「政治家という立場から動物行政を変えたい」と、崇高な志を持っていた貴女を「当時」は意気に感じ、私は知っている限りの情報を提供しました。

また、当時の貴女は橋下徹・大阪市長主宰の「維新政治塾」の塾生でしたが、組織運営の杜撰さや橋下氏の考え方に共感できず、思い悩んでいましたね。

私は「地盤・看板・カバンのない新人がいきなり国会議員を目指すより、まずは区議や都議などの地方議員から始めて政策をステップアップさせる方が近道」と助言させて頂いた記憶があるのですが、奇しくも1年前の今日、東京都議選でついに初当選を果たされました。

当選後、ほどなく「おめでとうメール」を送ってみたのですが、早くも意識は「センセイ」になってしまったのかスルーされてしまったのは、いささか残念でしたが…(笑)それはともかく、現在は一般人ではなく「権力者(公人)」となった貴女に、少しばかりの苦言を申し上げたいと思います。

そう、日本中で大騒ぎになっている 「セクハラやじ」 の件です。

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第一報をニュースで知った時、私は報道内容を鵜呑みにして「ひでぇヤジだな」と同情し、同時に「初質問だったのか。頑張ってるな」と感慨深いものがありました。しかし、騒ぎが大きくなり、貴女が多くのメディアで被害を訴え、ついに「犯人」(自民党・鈴木章浩議員)が名乗り出た今日には「事件」の概要に違和感を持ち始めたため、私は改めてネット上で拡散されている動画の音声を確認してみました。

(音声はこちら↓ ※スマホでは表示されません)






例えばNHKニュースのテロップは「自分が早く結婚したほうがいいんじゃないか」となっていますが、よく聞けば【「みんな」が結婚したほうがいいんじゃないか】と言っています。ここでいう「みんな」とは、最近の政治情勢を考えれば 「みんなの党」 を指しているのは明白で、国政政党としては現「結いの党」と、都議会会派としても現「都議会結いと維新」と“離婚した”事実を前提にしての、「党(会派)に対する皮肉」だったのだろうと推察されます。

議場が騒がしかったこともあり、ヤジを受けた当初は「正確な言葉」も、その「意図」も理解できなかったと思いますが、さすがに現時点では「まず自分が結婚しろ」というニュアンスではないことも、まして「産めないのか」という類のヤジは貴女の証言だけが根拠であることも自覚していますね?

先日の石原環境相による「最後は金目でしょ」発言の時も同様ですが、とにかく「自民党(の議員)」を批判したいマスコミにとって、貴女の「自民党の席から聞こえた」という証言は「天の声」だったはず。そして今日、望み通りに自民党議員が名乗り出たため、マスコミは狂喜乱舞しています。

マスコミが、実際に発された言葉を悪意によって捏造している事実を、テレビ業界に身を置いていた貴女なら分かっているはずです。また、テレビ関係者が視聴者のことをどう見ているのかということも、貴女から言質を取っています。

当初は自らの関与(発言)を全面否定していた鈴木議員の判断にも問題があるのは当然ですが、ヤジが予期せぬことだったとはいえ、そもそも勘違いだった「セクハラ被害」を貫く方が様々な意味で都合がよく、政治家として絶好のチャンスだったのかな…と勘ぐってしまうのは考え過ぎでしょうか。

ともあれ、あのヤジが本当に「セクシャルハラスメント(性的いやがらせ)」に該当するような問題発言だったと思っているのですか?鈴木議員は謝罪会見で「セクハラ」を認めていますが、騒ぎが大きくなりすぎたため、生け贄として「誤解や捏造も全て飲み込んで謝罪した」という可能性もあります。

その謝罪会見にしても、揚げ足取りが大好きなマスコミの体質を象徴するような質疑でしたね。質問というより、むしろ「吊し上げ」という言葉が当てはまるほど幼稚で醜悪なものでした。特にテレビは、身内(放送作家)だった貴女の擁護を貫く姿勢のようですが、貴女自身もこの成り行きに「当然の報い。ざまぁみろ」とでも思っているのでしょうか…。

貴女の対応次第では一人の政治家を社会的に抹殺できてしまう状況なのは間違いありません。振り上げた拳の下ろしどころを見誤っているのか、あるいはこの騒動をとことんまで利用しようとしているのか分かりませんが、必要以上に人を陥れると「因果は必ず自分に返る」ことを自覚し、今後の立ち居振る舞いはくれぐれも冷静に…と願わずにはいられません。

今の貴女には馬耳東風の戯言でしょうが、はるか北海道の地からの老婆心を少しでもご理解頂ければ幸いです。

山下 拝  



■ 追記 ■ (2014.06.24)

ネットで見つけた画像だが、すごいなこれ… (画像クリックで拡大)



いわゆる「街の声」なのだが、仕込みもここまでやれば大したものだ。

同じ制作会社が同じ人物に言わせたのは明らかだが、キー局の報道番組でさえ、このような「やらせコメント」が流れる例は枚挙に暇がない。テレビ業界が「視聴者はバカだから気付かない」と公言しているようなものだ。

今さらながら、これが日本におけるテレビの実態なのだ。
だから、ヤジのテロップ捏造など 「お・て・の・も・の」 ざますってか。

カテゴリ : 政治選挙

「親」になれず…

2014/06/21(土)
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市内・某幼稚園の運動会に、来賓として参加した。

幼い子供たちの笑顔を見ていると、ふと考えることがある。

「自分にも子供がいたら、違う人生観だったんだろうな」と…。

振り返れば、今年は離婚から20年という記念年

トラウマにより、以来は望んで独身生活を貫いているが、

この間も世間様には様々な経験や人生勉強をさせて頂き、

すでに「わが人生に悔いなし」の領域に達しつつある。

…とはいえ、やはり「人の親」になれなかったのは心残りだが、

しゃーない、今後の余生も「猫の親」で満足するか…。

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カテゴリ : 末梢雑記

日本の最大禁忌 「フクシマ」

2014/06/18(水)
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写真(C) Getty Images

民主党政権時代は面白いように閣僚の失言・暴言が飛び出し、辞任騒ぎなどは同党の「お家芸」とも言えるものだった。ところが、政権再交代を果たした第二次安倍内閣は良くも悪くも「仕事をしている」のが国民にもよく分かるうえ、しかも発足時から高支持率を維持しているとあって、「安倍(自民)憎し」のメディアがずっと手をこまねいていたのは論調からも明白だった。

そこに突然、降って湧いた石原環境相の「最後は金目(かねめ)でしょ」発言に各社は色めき立ち、鬼の首を取ったように一斉に報じた。その波紋は広がる一方のようだが、「波紋を広げるような言葉狩りをした」と言った方が正確な表現なのかも知れない。(最下部に報道記事)

本題に入る前に、「NIMBY(ニンビー)症候群」なる言葉をご存知だろうか。「Not in my back yard」(自分の裏庭には要らない)の略称で、特定の施設に対して「その必要性は認めるが、自分の居住地域には作ってほしくない」という住民のエゴイズム感情だ。これは住民の主観で「迷惑施設」と判断されているもので、一般的には「葬儀場・墓地・火葬場」「廃棄物・屎尿処理施設」「精神科病院」「軍事施設」「食肉処理施設」「刑務所」などが挙げられる。

東日本大震災以降はこれらに「原子力発電所」が加わり、さらに除染作業で出た汚染土壌の「中間貯蔵施設」もこのたび“仲間入り”した。そして遠くない将来には「最終処分場」も登場することになる。

これらの施設が嫌われる大きな理由は、施設の稼働による環境汚染の懸念、または施設の存在自体が地域のイメージダウンとなり、地価下落をも招きかねないとの不安感から来るものだ。その土地への誘致計画が出ようものなら住民は一丸となって反対運動を起こし、住民説明会などでは口角泡を飛ばしながら感情をむき出しにして嫌悪を表明することも少なくない。

そして、この反対運動はしばしば「駆け引き」にも利用される。施設の存在による「特例的な受益」次第で妥結する場合が多いが、「特例的受益」とは他ならぬ「金目」であり、反対表明はそれを増幅させる。俗に言う「ゴネ得」である。

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もちろん、これは一般論としての話である。だが、今回の騒ぎに当てはめると、「住民説明会ではお金(補償)の話が多く出た」(石原氏)のであれば、この発言は「交渉の本質を突いてしまった」のである。

原発事故が起きてしまった以上、国内のどこかに中間貯蔵施設を設置しなければならないのは紛れもない事実。そして福島県大熊・双葉両町が候補地になってしまうのも、経緯と状況を考えれば仕方がないと住民も納得しているからこそ「お金(補償)の話」にもなったのだろう。

元より、政府は金銭以外にどうやって誠意を示せばいいのだろうか。安倍首相をはじめとする全閣僚が一列になり、住民に土下座でもすれば無条件で受け入れるのか…そういう問題ではないだろう。事実として、最後は国民の税金による金銭的補償しか道は残らないのだ。

だが、メディアはそんなことを百も承知で言葉狩りをし、「無責任」「不誠実」「他人事」などの単語を羅列して吊し上げた。まるで「我々は被災者に寄り添った報道をしている」とでも言いたげだが、彼らにとっては自社の死活問題という話でもなく、「ネタのひとつに過ぎない」のが偽らざる本音だろう。震災後に会社独自で義援金を出したメディアはただの1社でもあるだろうか。オフの日にボランティアとして被災地にかけつけた記者はいるだろうか。

「他人事」と考えることは往々にして批判の対象になるが、人間とは己や家族が当事者にならない事象には「無関心」かつ「他人事」である。それはメディア然り、福島の被災者も然りだ。毎日ニュースで流れる殺人事件や死亡交通事故に際し、「見知らぬ被害者や遺族の心情を思うと、悲しくて日々眠れない」という人間はいない。そう、文字通り「他人の事」なのだ。

かつての「サティアン発言」にも見られるように、どうやら石原氏には「言葉選び」という能力が欠けているようだが、それにしても今回は騒ぎ過ぎである。これは、選んだ言葉(金目)が「被災者の心を傷つけた」などという単純なことではなく、福島県が「フクシマ」と表記され、被災者も含めて禁忌(タブー)化されていることに他ならない。

スポンサー、警察、皇室、同和、創価学会、在日など、マスメディアには多くの「報道(批判)タブー」が存在するが、これらとは比較にならないほど大きな禁忌が「国民」なのだ。個別の犯罪者でもない限り、国民のことは絶対に批判しないのが「常識」となっており、国民の中でも特に「被災者」というカテゴリは絶対的な不可侵領域になってしまっている。

そのため、賠償金や義援金でパチンコ三昧などという一部被災者の実態を把握していながら見て見ぬふりをしているのだ。そう考えると、今回の加熱報道(住民擁護)ぶりは「さもありなん」だが、ことさらに「フクシマ」を腫れ物扱いすることが今後の復興にどのような影響を与えるのか、私たち国民はよく考える必要があるのではないだろうか。

「きれい事」は、もうたくさんだ。



石原環境相「最後は金目でしょ」 中間貯蔵施設巡り発言

石原伸晃環境相は16日、東京電力福島第一原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設の建設をめぐり、首相官邸で記者団に対し「最後は金目(かねめ)でしょ」と語った。

政府は候補地の福島県大熊、双葉両町の住民説明会を15日に終えたばかり。石原氏は16日午後、官邸で菅義偉官房長官に、今後の事業日程などを報告した。面会後に石原氏は「説明会が終わったから今後の日程について話をした。最後は金目でしょ。(菅氏は)こちらが提示した(住民への補償の)金額については特に何も言っていなかった」と記者団に語った。

中間貯蔵施設建設では、地元への交付金額や地権者に対する補償額が焦点になっている。石原氏の発言は、政府が地元との交渉を金で解決する意図だと取られかねない。

石原氏は同日夕、急きょ記者団を集め「住民説明会ではお金(補償)の話が多く出た。最後はお金の話だが、それは今は(金額を)お示しすることができないという意味で話した。お金で解決するとは一度も言ったことはないし、解決できる話ではない」と釈明した。

石原氏は自民党幹事長だった2012年、報道番組で福島第一原発を「第一サティアン」と呼び、地元の反発を招いた。

 (朝日新聞デジタル 2014.06.16)


カテゴリ : 報道誹議

サッカーW杯 すでに悲喜こもごも

2014/06/16(月)
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写真(C) adidas

2014FIFAワールドカップ(ブラジル大会)が13日(日本時間)に開幕した。
日本代表の初戦は15日(同)、コートジボワールを相手に1-2で逆転負けしたが、キックオフが日曜日の午前10時(同)とあって、多くの国民がテレビ観戦をしていたのは想像に難くない。

サッカーに全く興味がない私はその頃、いつものように少年野球の審判に励んでおり、審判仲間もチーム指導者たちもさほど関心はない様子だった。しかし、某フジテレビは番組で、ジョギングなどをしている一般市民に 「なぜ観ない?こんなところでそんなことしてていいのか?気にならないのか?」などの同調圧力ともいえる質問をしてヒンシュクと反感を買っていたという。

この局の歪(ゆが)んだ報道姿勢は今に始まったことではないが、世俗に流れやすいというか、人の興味関心は千差万別だという社会常識すら分かっていない連中が公共の電波を使い、子供でもしないような愚問を撒き散らして悦に入っている様は、もはや滑稽でしかない。

さらに、日本戦終了直後には渋谷のスクランブル交差点に多くの若者がなだれ込み、恒例のバカ騒ぎが始まった。どさくさに紛れた痴漢行為も多数あったようで、「日本の若者はこんなに民度が低かったのか」と呆れる「4年に一度の光景」である。にわかサポーターがW杯を口実にしてお祭り騒ぎをしたいだけなのだろうが、多くの人に「だからサッカーは嫌い」とも言われていることには、まるでお構いなしの様相である。

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一方、現地の日本人サポーターは敗戦後にも関わらず、スタジアム内でゴミ拾いをしていたとして各国メディアがその映像を配信し、礼節意識の高い国民性を賞賛していた。万事で敵意をむき出しにし、ドイツ戦では「ヒトラーの息子たちは去れ!」、日本戦では「日本の大地震をお祝い(し)ます」など挑発的な声明を掲げ、世界に向けて悪態をつく「あの国」にはできない芸当だろう。

…かと思えば危惧されていた通り、現地で強盗被害に遭う日本人が続出しているようだ。「財布を拾ったら交番に届ける国」から来た“おとなしい訪問客”が絶好のカモにされている。

私は20代の頃に海外ツアーコンダクターの経験があるが、空港以外では客のパスポートを一括管理し、自身のカバンは鎖でベルトに繋いで警戒していたが、それでも危機一髪で難を逃れた経験は枚挙に暇がない。日本人は基本的に「性善説気質」のため、危険の程度がよく分かっていないのが実状だ。

…とまぁ、開幕後3日にして様々な「場外ドラマ」が繰り広げられているようだが、これからの1ヶ月間にどんなニュースが飛び込んでくるものやら…。

カテゴリ : 時事社会

SNSは人の心を豊かにしているのか

2014/06/11(水)
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親の死を報告しても 「いいね!」

これは、書籍 「本当はコワイSNS」(アスペクト文庫)の帯に記載されている、Facebookの本質を突いたキャッチである。人の意見には賛否両論の感想があるにも関わらず、同意や共感を表す「いいね!」ボタンしかない仕様のため、このような皮肉が生まれるのは必然なのだろう。

まぁ、単なる「私生活の報告」という使い方であれば、共感というより「ちゃんと読みましたよ」という意味合いでクリックされるのかも知れないが…。

Facebook、Twitter、LINEなど、世はSNSが花盛りだ。たしか10年ほど前(だったかな?)、個人的な友人に誘われてmixiに入った。とはいえ、日記などを書いたことは一度もなく、関心のあるテーマのコミュニティに入って掲示板を読むという「情報収集ツール」としての活用が主目的だった。

そしてある時期から、mixiをめぐり妙なことが(ネット上で)社会問題化する。
そう、「踏み逃げ」論争である。

独自の「足あと」機能により、自身のページに「いつ」「誰が」アクセスしたのかが分かるのだが、日記などを読むだけ読んで「コメントを書かない」というだけで「踏み逃げ(読み逃げ)」と言われ、非難の対象になる。これは、「せっかく日記を書いたんだから、読んだらコメントを書いてよね!」という心理だ。

裏を返せば、「コメントを書かないなら、友達としての意味がない」ということか。その日記にどれほどの価値があるかはともかくとして、「友達」の存在意義は己の損得勘定だけで決めるものらしい。

さらに不思議だったのが、「友達の数」がステータスであるかのような価値観の蔓延だ。人格も顔も知らない、会ったこともない人に対してさえも「友達申請」をし、増やしていくことに充足感や達成感を覚えるのである。

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「踏み逃げ許すまじ」なのも「友達を増やす」のも、その執着心の根底にあるのは「寂しさ」である。今は「ぼっち」や「かまってちゃん」などという言葉もあるようだが、「自分に感心を持ってほしい」という心理の裏返しであり、それがネット空間だけの付き合いでも「友達が多い」ことに安心し、自尊心が満たされる。

Facebookの「友達」にしろTwitterの「フォロワー」にしろ、今やカネさえ払えば好きなだけ手に入るが、そんな実態のないアカウントすら「たくさん欲しい」と考えているとすれば、その虚栄心はもはや病気に近い。

そんな「サイバー人間関係」がアホらしくなり、以来はSNSに興味がなくなった。だからFacebookもTwitterも、私はアカウントすら作ったことがない。

このブログも広義ではSNSの一種なのだが、コメント欄は閉じており、そもそもコミュニケーションを目的としていない。政治的主張や問題提起を主眼としてるため異論をコメントされやすいテーマではあるのだが、社会的責任や影響力のない「自己満足ブログ」のため、読者と議論をするエネルギーはない。もちろん、事実誤認などの指摘があれば、謹んで訂正させて頂くのは当然だが…。

余談だが、数あるブログサービスの中で最もSNS風なのは「アメーバブログ」だろう。設定によって「アメンバー」以外は記事を読めないようにして囲い込みを図り、必要とは思えない「読者数」を表示してギブアンドテイクさせ、固定読者による「馴れ合いコメント」が溢れる。「芸能人ブログ」に至っては、運営側が常時コメント欄を監視して異論や批判を排除するため、常に「美辞麗句」しか載らないという茶番ぶりで、個人的には大嫌いなブログサービスだ。

ともあれ、この「SNSだけで完結する人間関係」に、自己満足以外の利点はあるのだろうか。災害時など「情報伝達手段」としての利便性は認めるが、血が通わないパソコンやスマホで文章を交換することで、人間としての機微を理解し合えるとは思えない。

当然ながら、SNSをやろうがやるまいが個人の自由であり、私がここで勝手に否定しているだけに過ぎない。しかし先日、誕生日を迎えた友人にFacebook経由で「おめでとう」メッセージが大量に届いた際、それらが「心からの祝辞」なのか「儀礼」なのかは分からないが、大喜びしている姿を見て「何かが違う…」と思ってしまったのは事実だ。

人間関係を充実させたくてSNSを活用し、そのうちSNSに縛られるようになり、挙げ句に「(実態のない)人間関係に疲れた」と退会する者は尽きない。

何事にも言えることだが、便利なツールとは使いこなしてこそ便利なのであり、人生を懸けるものではない。だが、実際の友人である同世代男性の「SNS命」っぷりを見ていると他人事ながら心配で心配で、夜しか眠れない。


SNS疲れ
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)内でのコミュニケーションによる気疲れ。SNSの長時間の利用に伴う精神的・身体的疲労のほか、自身の発言に対する反応を過剰に気にしたり、知人の発言に返答することに義務感を感じたり、企業などのSNSで見られる不特定多数の利用者からの否定的な発言や暴言に気を病んだりすることを指す。代表的なSNSの名称を用いて、ツイッター疲れ、ミクシィ疲れ、フェイスブック疲れなどともいう。 (出典:デジタル大辞泉)


カテゴリ : 時事社会

AKB48という「集金システム」

2014/06/08(日)
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北海道新聞(6月8日付朝刊)

昨夜、味の素スタジアム(東京)で行われた「AKB48選抜総選挙」の模様と結果が、今朝の北海道新聞(第2社会面)に掲載された。共同通信による配信なのだろうが、アイドルグループの椅子取りゲームが社会ニュースになるとは、どこまで日本は平和で呑気な国なのだろう。

本来、「総選挙」という言葉は「衆議院議員総選挙」という国事行為を意味するものだが、完全にAKBグループのイベントの代名詞に成り下がってしまった。また、握手券にも言えることだが、「一人が票(CD)を大量に買う」という集金システムが確立されてしまったAKB総選挙が、「一人一票」が鉄則である“本当の選挙”を貶めているような気がしてならない。

今回のAKB総選挙の立候補者は296人、総投票は約269万票だったという。一人あたりの平均得票数は約9千票になるが、投票者数とイコールではない。過日、関西の「いちご農家」の経営者(42、妻子あり)が「推しメン」に4,600票を投じたとして話題になったが、これに象徴されるように、たとえファンが少なくても一人の巨大スポンサーさえつけば、無限に票を集められるという、麻薬のような選挙制度なのだ。

それは、総選挙が決して「人気の指標」ではなく、「いかに秋元康の“養分”を確保したか」という価値観で行われ、ご褒美として与えられるのが「センター」であり「選抜メンバー」というポジションだということを如実に証明している。

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それにしても、いくらビジネスとはいえ、20歳前後という「小娘」たちの合戦に大勢の大人が狂喜乱舞している構図は、異様としか言いようがない。少なくても楽曲自体は一般の女性たちも歌って踊っており、好かれているのは事実だが、「オタク」「ロリコン」という社会の暗部に目をつけ、夢見る少女や男性ファンの稚拙な心理を巧みに利用したキャバクラ商法が「モラルとして一線を越えている」という世間の批判には、やはり同調せざるを得ない。

経済的見地からの「AKB48現象」とは“仕掛ける側”と“踊らされる側”の利害が一致した大成功例なのだろう。若かりし頃の「わがアイドル」が沢田研二と浜田麻里だった私にとっては、どうにも理解できない世界なのだが…。


追記 (2014.06/15)

5月26日の握手会襲撃事件を受け、秋元康は「今後は握手会場へ手荷物の持ち込み禁止。しかし千円支払えば運営が預かってやる」旨を発表した。一方的に禁止して、その回避策で金を取る…典型的なマッチポンプ商法だが、「金儲けとはこうやるのだ!」と身をもって教えてくれているのだろう。

凶器の持ち込みを排除することで解決した気になっているのかも知れないが、やろうと思えば素手で女性の手の骨をへし折るくらいは簡単にできるのに、握手会自体は存続させるという。リスクマネジメントと見せかけて、結局は事件すら商売のタネにしただけで、商魂もここまで来れば「あっぱれ」である。

カテゴリ : 経済産業
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 山下 浩

Author: 山下 浩
 
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・札幌市在住 1967年生

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