信用できない「汚名挽回」

国語辞典編纂者で「三省堂国語辞典」編集委員の飯間浩明氏が1日、自身のツイッターでこうつぶやいた。
「挽回」は「元に戻す」という意味があるので、「汚名挽回」は「汚名の状態を元に戻す」と考えられ、誤用ではない。これは『三省堂国語辞典』第7版に記述しました。『明鏡国語辞典』もやんわりとですが、誤用と決めつけられないことを記しています。「汚名挽回」の汚名挽回なるか、といったところ。(→ 参照)
長らく「名誉挽回」と「汚名返上」を混同した“誤用”とされてきた「汚名挽回」という言葉だが、上記の通り「誤用ではない」という新(珍)説が登場した。
何という強引で馬鹿げた論理だ…。「汚名挽回」が「汚名の状態を元に戻す」と考えられるのであれば、同様に「名誉挽回」は「名誉の状態を元に戻す」と解釈しなければ辻褄が合わない。論理が破綻しており、これで論証は終了。
このツイートだけでは事情が分からないが、言語学者のコンセンサスすら得ることなく、編集委員という立場を利用して個人的主観や持論を辞典上に開陳したのだとすれば由々しきことで、辞書出版社としての信頼性にも疑問符がつく。
定期的に辞書は購入しているのだが、今後はもう三省堂はないな…(笑)
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