世は「消費税」一色だが…

本日より消費税が5%から8%に引き上げられた。
各マスメディアは揃って大騒ぎし、まるで貧乏人は一家心中か自己破産しなければならないと思うほどの煽りようである。また、昨日は新聞記者やテレビ番組のレポーターらがこぞって小売店に赴き、気休めにしかならない「増税前のまとめ買い」をする消費者にインタビューをしていた。大メディアの取材者は、まるで己が特権階級でもあるかのような立ち居振る舞いで庶民を見下し、哀れみながら行っている輩が多いので、見ているといつも気分が悪くなる。
ところで、4月1日付の税制改正という意味で消費税ばかりが話題になっているが、印紙税法の一部も改正され、本日以降に作成される「金銭又は有価証券の受取書」(領収書、受取書、買上票、レシートなど)にかかる印紙税の非課税範囲が拡大されたことはほとんど知らされていないのではないか…。
具体的には、これまで印紙税は受取金額(本体価格)が3万円未満のものが非課税だったが、本日分より5万円未満に拡大される。わずかとはいえ減税措置のひとつなのだが、決して世間に浸透しているとは言えない状況のようだ。
商売人はもちろん、個人でも領収書を発行する機会はあるだろう。だが、この法改正を知らぬまま税抜き3万円以上5万円未満の領収書を切り、200円の収入印紙を貼ってしまうケースは全国各地でしばらく続くかも知れない。受け取る側が「印紙が貼られていませんよ」などと言って恥をかくことにもなりかねない。
消費税がいちばん身近な税金だからという理屈も理解できるが、メディアはもう少し視野を広く持ち、こういうテーマも何度か周知報道してほしいものだ。
カテゴリ : 経済産業