
(株)阪急阪神ホテルズによるメニュー偽装(虚偽表示)を発端とし、全国のホテルレストランを中心にした外食産業で自己調査の結果を公表するという珍現象(?)が相次いでいる。どんな内部告発があるのか分からない今の時代、ヘタに隠すよりは公表してしまえとばかりに出てくること出てくること…(笑)
その中には「お前もか」と言いたくなるような名門ホテルも数多く含まれており、ここまで来るとメニュー担当者や料理長など現場レベルの問題ではなく「業界の慣習」として浸透してしまっている感もある。
どのホテルも記者会見では例外なく「故意ではなく過失」としているが、それを信じる者はほぼ皆無だろう。どのケースでも「安い食材を高いものとして表示」していたが、その逆のケースが皆無なのが過失ではない何よりの証左だ。
だが、故意的な虚偽表示を認めてしまえば、適用される法律によっては刑事罰の可能性もあり、あくまで過失として突っぱねるしかないのだろう。
札幌市内でも、札幌グランドホテルやルネッサンスサッポロホテルなどが虚偽表示していたようだが、この2ホテルは私にも縁があった。
ルネッサンスサッポロホテルに関しては、1991年に「ラマダ・ルネッサンスホテル・サッポロ」(当時)のオープンスタッフとして従事して開業を見届けた後、札幌グランドホテルへバーテンダーとして移った経緯がある。いずれも誇り高きホテルマンばかりだったので、今回の事件は非常に残念だ。
ところで、「偽装例」を一覧にした冒頭の画像、中には「それくらい許してやれよ」と思うケースも…。特に
「おふくろの味の定食」が、実は
「中年男性コック」が調理してましたって、それを知って失望する客がいるのだろうか…。
「おふくろの味」は「おふくろが作るべき」なのか…?プロの料理人ではなく、一般の「おふくろ主婦」が作ったものをホテルで提供すべきとでも…?こんなことまで槍玉に挙げるのは、さすがに酷というものだろう。
とはいえ、一連の大騒動は業界が自分で蒔いた種。日本式サービスの根幹である「誠実」という言葉を裏切った罪は大きいが、いつ収束に向かうのやら…。
また、今後は回転寿司のネタが槍玉に挙がるかも知れない。マグロ→アカマンボウ、アワビ→ロコ貝、タラバガニ→アブラガニなど数多の代用魚を使用しているため、今回の騒動に便乗して「偽装ネタだ!」と騒ぐ輩が出てくるのでは…?
そして、長年続く「究極の偽装」はこれか?

「買ってみたら、ごはんじゃなかった」とか…(笑)