
うわぁショックだ…。「Guyatone」(グヤトーン)ブランドで知られる東京サウンドが先月末で営業停止し、事実上の倒産となったらしい。
Guyatoneはエレキのギタリストやベーシストなら誰もが知る老舗ブランドで、かくいう自身も中学生時代からベースを始め、自宅での練習用として「グヤ」のベースアンプを愛用していた一人だ。
報道記事では業績悪化要因の例として「若者のギター離れ」を挙げているが、確かにその通りかも知れない。「クルマ離れ」「バイク離れ」「バンド離れ」などと言われるように、男が夢中になる「趣味」の傾向が変わってきているようだ。
Guyatoneというブランド名も消えるのか、あるいは同業他社が引き継ぐことになるのかは分からないが、時代が確実に変化しているのは確かなようで…。
「Guyatone」の東京サウンドが営業停止
東京サウンド(株)(TDB企業コード:980647747、資本金4,000万円、東京都杉並区高井戸東3-36-14、代表松木耕一氏)は、1月31日に営業を停止した。
当社は、1933年(昭和8年)に創業、56年(昭和31年)7月に法人改組した。我が国初のエレキギターを開発、製造した老舗の楽器・音響機器メーカーで、「Guyatone」ブランドとして、グループサウンズ全盛時代から日本のエレクトリックギターを語る上で、欠かすことの出来ないパイオニア的存在として高い知名度を有していた。
特に、エフェクターの開発を得意としており、コンパクトタイプなど多くのエフェクターを開発。その他にも、楽器の周辺機器の販売や自社ブランドで「REXER」(業務用音響機器)や「SOUND」(真空管オーディオアンプ)を開発し、小売店や代理店に販路を築き、90年2月期には年売上高約10億3,700万円をあげていた。
しかし、近年は、一定のマニア層に支えられてきたものの、バンドブームの停滞に伴う若者のギター離れに加え、欧米の有名ブランドに押され、2012年2月期の年売上高は約1億3,000万円に減少していた。
この間、営業所の閉鎖や人件費の削減など経営改善に努めたものの、業況に回復が見られず、資金繰りが限界に達し、今回の措置となった。
負債は約2億2,000万円。
なお、今後の整理については現在弁護士と協議中で、経理業務および修理依頼品の対応については、2月末日まで業務を行うとしている。
(帝国データバンク 2013.02.07)