永遠も半ばを過ぎた

フリーデザイナー兼カメラマンの苦言・放言・一家言

数十年ぶりの「餃子の王将」

2013/02/24(日)
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約一週間ぶりの更新が、またも食べ物ネタで恐縮だが…。

王将フードサービス(本社・京都市)の中華料理チェーン「餃子の王将」が札幌に進出して1年余り。この間に、すでに市内で7店舗という驚異的なスピードで出店を続けているのだが、本日初めて「手稲前田店」に行ってみた。

日曜日の正午過ぎということもあるが、その混み具合には驚いた。「こりゃ1時間待ちか…」とも思ったのだが、ゆっくり寛ぎながら食べる店でもなく、回転が早いため15分ほどで着席できた。

思い起こせば、若かりし頃の東京在住時代には「新宿店」(現在は閉店)に週一ペースで通い、決まって「天津飯」を食べていた。しかし、札幌では天津飯というメニュー自体が珍しいという事情もあり、店舗入り口のサンプル(写真)を見ると懐かしさで涙が出そう…にはならなかった

とりあえず今回は「牛骨ラーメンセット」(ラーメン・炒飯・餃子)を注文。サンプルを見て「こんなに食えるのかな…」と心配だったが、ご多分に漏れず実物の量は少なめ(笑)だったため、無事に完食できた。ただ、肝心の餃子はパサパサした食感で、個人的には「みよしの」の餃子方が口に合うと感じた。

次に行く機会があれば、今度こそ天津飯だ

カテゴリ : 日常私事

カニがいいのかに?

2013/02/16(土)
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東京から来道中で、今夜帰京するクライアントと夕食を共にすることになった。

ラーメンやジンギスカン、海鮮丼など「北海道の定番」と言われるものはすでに食されたらしいのだが、「忘れられない味」として最後に希望されたこともあり、ススキノのカニ料理店へ。特に「カニしゃぶ(写真)の食感がたまらない!」という御仁なので、最後の夜は十分に楽しんで頂けたようだ。

それにしても、いくら北海道ではカニが名物とはいえ、あまり気軽に食べられるものではない。今回はフルコースだったとはいえ、他の名物と比較してもケタがひとつ違うし、総じて日本の郷土料理である「和食」の店はなぜか敷居が高い。

つくづく自分は「居酒屋+飲み放題」の体質なのだと再確認した

カテゴリ : 業務関連

手のひらにフライト・レーダー

2013/02/13(水)
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来道するクライアントの出迎えのため、新千歳空港へ。

空港到着ロビーでの出迎えは幾度となく経験したが、飛行機(特に着陸時間)は定刻を前後することが多いため、常に電光掲示板の着陸情報を気にしなければならない。

しかし、最近はスマートフォン用のアプリで当該機の飛行位置がリアルタイムで確認できるため、どれほど遅れていても直感的に到着時間が予想できるのだ。

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 【 FlightRadar24 】

これを見ることができるのは管制塔など空港施設ぐらいだと思っていたのだが、今やすっかり一般人の便利アイテムになっているようで、何だか恐ろしや…。

カテゴリ : 日常私事

道内観光業界の未来が暗い

2013/02/11(月)
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昨日の北海道新聞の記事。開催中の「小樽行きあかりの路」は今年、中国人客を当て込み春節休暇に合わせた日程を組んだものの、尖閣諸島で泥沼化する日中関係の影響で団体客が激減し、市内の観光業者は苦慮しているという。

中国人富裕層が大挙して日本各地を訪れ、土産店で異常な「大人買い」をしているというニュースをよく目にしたが、さすがにピークは過ぎたようだ。減少リスクがあるのを承知しながら「大量にカネを落とす」というだけで中国人ばかりをアテにしてきたツケが回ってきたということだろう。

「ブームはいつか去るもの」なのに、「その後」の展望も戦略も考えていなかったため、こういう状況になると慌てることになる。そもそも、中国人観光客が増えたのは最近10年ほどのこと。それまでは内需(日本人客)で十分に食べていけたはずである。

ところが、不景気で国内旅行が低迷すると、次は「渡りに船」とばかりに露骨に中国人をターゲットとするようになった。若い頃にツアーコンダクターをしていた私は、このような観光業界のスタンスは見苦しく思っていた一人だ。

これは話の順序が逆で、「中国人ばかりになった観光地だから、日本人が寄りつかなくなった」という側面を無視してはいけない。それが何故なのかは、他ならぬ観光業界がいちばん分かっているだろう。

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   ◇

中国人観光客が増えるほど、観光現場では様々な軋轢が生じている。つまり「中国人のマナーの悪さに辟易している」のだという。定山渓温泉のある土産店オーナーはかつて、ため息をつきながら葛藤を吐露していた。

「並ばない、割り込むのは当たり前。タバコを吸い歩き、灰を床に落とす。買う前から平気で包装紙を開け、それを注意しても謝らないどころか逆ギレされ、痰やツバを吐かれる。もちろん頭に来るけど、結果的に買ってくれるわけだから我慢するしかない」

また、札幌市内のホテル支配人からも次のような話を聞いたことがある。

「団体チェックインの際にはロビーで大騒ぎ、翌日のチェックアウト時間も守ってくれない。通路の真ん中でトランクを開け、パジャマやスリッパで館内を歩くのも日常茶飯事。旅館のような大部屋はないので、団体客はどうしても部屋を分けることになる。そうすると、各部屋がドアを全開にして自由気ままに仲間の部屋を往来するという行動に出る。他人への迷惑という発想がないようで、他の客からのクレームは尽きず、最終的にはホテルの評価も下がる一方だ」

ここ数年は中国人ツアーの乗務が多いという札幌の観光バス運転手も、日本と大きく違う国民気質に困惑している一人だ。

「皆が大声で喋り、ツアーガイドの話は何も聞いていない。集合時間も守れないので予定通りには走れず、車内でのツバ吐きや飲み食いの汚さには閉口する。結果的に宿入り時間は大幅に遅れ、その後の車内清掃は夜中までかかる。もう勘弁してほしいわ」

そして極めつけは、札幌近郊のドライブインに勤める従業員の話だ。

「中国人団体客の食事の様子は『凄まじい』の一言。よくもこれだけ食い散らかせるものだと感心するほど。洋式トイレの使い方を知らない人が多いようで、便座に足を乗せて用を足すのはマシな方。時には拭いた紙を流さず、備え付けのゴミ箱に入れるので悪臭がひどい。便器のフタの上にウンコが乗っていたこともあった。文化の違いと言ってしまえばそれまでだが、まさに中華思想の産物で、『郷に従う』のではなく『お前たちが中国人に合わせろ』と考えてるようだ」

経済発展に合わせて文化レベルも向上しつつある中国では、インターネットの普及により世界の文化やマナーを知る術も格段に向上したのは確かだ。事実、中国人の行動に困惑する現場の声には、いずれも「数年前ほどではないが…」という但し書きがつく。

しかし、今や中国人観光客は北京や上海など大都市の富裕層ばかりでない。農村部などに住み、「グローバル・スタンダード」とは無縁の生活をしてきた層に多いと言われるこれらの行動様式は、礼節を重んじ、公共への羞恥心が強く、あらゆるものを殺菌・消臭し、用便後は肛門を洗わなければ気が済まないほど潔癖な日本人にとっては「嫌悪感」に直結する。

インターネット全盛の現代、こうした悪評は一瞬で全国に波及する。そのため、日本人が「触らぬ神に祟りなし」と考えるのも当然で、「中国人万歳」とばかりに内需を蔑ろにしてきたのが昨今の観光不況要因のひとつなのは確かだ。

   ◇

では、中国人観光客のマナーだけが問題なのだろうか…。若い頃に旅行添乗員(ツアーコンダクター)をしていたという話は先述したが、その経験から「観光地としての北海道」の内情も書いてみたい。

世界一の味と品質を誇る水道水をさらに浄化して飲む日本人が、彼らの慣習に馴染めないのは当然だろう。しかし、中国人観光客のマナーを嘆く前に、まずは受け入れる観光地全体が接客の意識とレベルを上げるべきである。

昔から北海道は、『素材(自然・食材)は一流、サービス三流』と言われてきた。私の感覚では「自然は一流、施設は二流、料理は三流、サービス四流、意識は五流」である。

長らく北海道は、全国でも「憧れの観光地」として君臨してきた。東京発2泊3日で2万円台という料金設定も珍しくなかったため、繁忙期にはひとつのツアーでバスが15台になることもあり、そのうち半数のバスが予定のコースを逆回りで走るという珍現象も起きたほどだ。

宿はもちろん、土産店や昼食会場はどこも客で溢れていたためか、「もてなす」のではなく「さばく」というべきレベルの接客が横行していた。また、一期一会の精神に乏しく、法外な値段で商品を売りつける業者が多かったのも事実だ。

通常、団体ツアーはアンケートによる施設や食事などの評価を客に求めるが、エージェント(旅行会社)に影響を与えるのは添乗員による報告書だ。施設側もそれを承知しているため、場合によっては客よりも添乗員に手厚くサービスする施設も多い。だが、それは本州以南での話で、北海道は例外なのだ。

道内温泉地の某ホテルで例えると、客室が空いているにも関わらず、添乗員は会議室や宴会場で寝かされたり(洞爺湖温泉)、窓のない「添乗員専用相部屋」を“完備”していたり(層雲峡温泉)、コップ一杯分の氷をフロントに求めただけで1,000円も請求されたり(湯の川温泉)…。

客室に泊まれないのでは宿を評価しようがなく、ましてや少量の氷まで「商品」にされてしまうと、接客ポリシーにも疑問符がつく。しかし、どれほど事実を正確に書いても、エージェントは取引ホテルを変更しない。他のホテルも他のツアーで一杯だから、そもそも物理的に不可能なのだ。これが北海道の「殿様体質」を作ってしまった要因のひとつである。

また、バス乗務員も客と同じホテルに宿泊するのが一般的なのだが、北海道では主要な観光地に必ずある『乗務員用宿舎』で寝ることになる。格安ツアーゆえのコスト事情もあるとはいえ、「添乗員と乗務員は客にあらず」という全国的にも珍しい思想を、北海道の観光地は持っているのだ。

まずは染みついた「驕り」を改め、真のホスピタリティを養って心から「ようこそ」と言うべきである。未だ生まれ変われない現状は、道民として情けない限りだ。

   ◇

長引く不況下、特に北海道経済は国内で最低水準となっているため、観光業界にとって中国人は「金のなる木」だ。だとすれば、迎える側は恨み節を並べながら我慢するのではなく、率先して日本社会のルールを教える努力と非礼を許す寛容さが求められるのかもしれない。

一部調査で「世界一の観光客」と評されるようになった日本人だが、「旅の恥はかき捨て」とばかりの行状で世界中から顰蹙を買っていた時代が続いていた。また、かつては中国や韓国、東南アジアなどへの「買春ツアー」の実態も海外で報じられ、世界中に恥を晒したことも忘れてはならない。

高度成長期の1964年に海外観光旅行が自由化されて以来、日本人は半世紀を費やして「衣食足りて礼節を知ってきた」のだ。同様に、中国でも貧富の差が解消してくるにつれ、彼らの意識も向上してくるのだろう。

政府レベルで緊迫する日中関係はさておき、少なくても観光目的で来日・来道する中国人は「反日分子」ではない。今後も彼らをアテにするしかないのなら、互いに理解し合える方策を考えるべきだろう。いま中国人観光客が歩いている道は、私たち日本人が「いつか来た道」なのだから…。

カテゴリ : 時事社会

初音ミクの生ライブに行ってみた

2013/02/10(日)
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9日の「ミクパ♪ in Sapporo」 (ファミ通.comより拝借)

DTM用ソフトで、キャラクター・ボーカル音源としても知られている「初音ミク」を生んだクリプトン・フューチャー・メディア(株)の関係者に招待され、「ミクパ♪」と銘打った生ライブ(2日目の夜公演)に行ってきた。

「初音ミクとは何ぞや?」程度のことは知っていたが、興味関心としてはスルーしてきた。しかし、「二次元キャラクターの生ライブ」という、時代に乗っていないオジさんにとっては未知の世界を体感できる機会を与えられたため、「怖いもの見たさ」と「社会勉強」として禁断(?)の世界に飛び込んでみた。

5名の生バンドをバックに、ステージ中央のスクリーンに投影された初音ミクが登場した途端に会場は総立ち状態に…。ほぼ全員が色とりどりのサイリウムを振りながら要所では一緒に歌うというパターンで、アンコールを含めた26曲がほぼノンストップで繰り広げられた。

まるでアイドルコンサートの様相だったが、初めて目の当たりにした私には訳が分からず、立ち尽くしたまま呆然と見続けた。そして、わずかなMC(当然これもプログラミング)の瞬間、客席からはこんな叫び声が…。

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観客A「ミクさ~ん!愛してるぅぅ!」
観客B「俺の方がもっと愛してるぅぅ~!」


うぅむ… 場を盛り上げるためというより、本当に「愛してるオーラ」を醸し出していただけにカルチャーショックが…。しかし、彼らにとっては紛れもなく最高のアイドルなのだろう。

発売当初はあくまで「ボーカル音源のひとつ」だった初音ミクだが、今ではサブカルチャーの筆頭格にまで成長したようだ。事実、今回の「ミクパ♪」は入場料が6,300円と高額ながら、札幌市民ホールでの2日間4公演が全て満員御礼だったという。有名アーティストでもなかなか実現できない動員をやってのけたわけで、アナログ脳の私にとっては様々な意味で勉強になった興行だった。

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公演終了後の会場外では、即席のコスプレ撮影会が行われたり、見知らぬ者同士(同志?)が「後夜祭」と称して夜のススキノへ誘い合うなどして、しばらくは余韻が続いていたようだ。

私の方はというと、雪まつり期間ということもあり西11丁目の「雪ミク雪像」へ。ここでも写真を撮る人が引きも切らず、その人気ぶりを見せつけていた。

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そして帰宅後、「ミクパ♪」の公式サイトを見てみると、こんな注意事項が…。

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狙ったのか大真面目なのかは分からないが、何だかシュールすぎるぞ…

ともあれ私にとっては、近年まれに見る新鮮かつ斬新な異次元イベントだった。
伊藤さん、招待ありがとうございました。

カテゴリ : 日常私事

隣国たちは「挑発」がお好き

2013/02/08(金)

利尻沖を領空侵犯したロシア機 (撮影:防衛省)

昨日の午後3時頃、ロシアの戦闘機2機が利尻沖を領空侵犯したため、空自の戦闘機がスクランブル発進したという。(最下部に引用記事)

よりによって「北方領土の日」なのだが、確率論(1/365)で考えると意図的と判断するのが自然だろう。

折しも国会(衆院予算委)では、中国海軍艦船による海自護衛艦へのレーダー照射事件が大問題になっている最中であり、このタイミングでの悪質な軍事的挑発行為を見るにつけ、いかに日本政府が舐められているのかがよく分かる。

同時に、これら隣国の精神的な幼稚さも感じられる。米国の脅威(日米安保)が背後にある以上、ロシアも中国も軍事衝突にまで発展させるつもりは毛頭ない。日本側が応酬しないのを分かったうえでの「ピンポンダッシュ」のようなもので、少なくても成熟した民主国家ならばこんなことはしないはずだ。

それにしても、ロシア・中国・韓国・北朝鮮と、どうして日本の周りには好戦的でタチの悪い国々だらけなのだろうか。中国や韓国の反日思想は、突き詰めると「嫉妬と羨望」に行き着いているとの説もあるが…。

そして「オリンピック」という視点で見ると、中国と韓国はすでに実施済み、ロシアは来年に冬季五輪を控えている。果たして、これらの国に「平和の祭典」であるオリンピックを開催する資質があるのかどうか、はなはだ疑問だ。

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ロシア戦闘機、北海道沖で領空侵犯 日本政府が抗議

防衛省は7日、ロシアのSu27戦闘機2機が北海道利尻島沖の領空を侵犯し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応したと発表した。ロシア機は1分ほどして領空外に出たという。

共同通信によれば、日本政府はロシアに対し公式に抗議した。ロシア機による日本の領空侵犯は2008年2月以来。
ロシアのインタファクス通信によれば、同国の政府関係者は領空侵犯を否定しているという。
朝日新聞によれば、日本の安倍晋三首相は北方領土問題の解決を優先課題に掲げている。

第2次世界大戦末期に当時のソ連は択捉、国後、色丹、歯舞群島の「北方四島」を占領、日本は返還を求めている。領土問題が解決していないために両国の間ではいまだに平和条約が結ばれていない。

 (CNN 2013.02.08)


カテゴリ : 国際時事

グヤトーンが消滅か…

2013/02/07(木)


うわぁショックだ…。「Guyatone」(グヤトーン)ブランドで知られる東京サウンドが先月末で営業停止し、事実上の倒産となったらしい。

Guyatoneはエレキのギタリストやベーシストなら誰もが知る老舗ブランドで、かくいう自身も中学生時代からベースを始め、自宅での練習用として「グヤ」のベースアンプを愛用していた一人だ。

報道記事では業績悪化要因の例として「若者のギター離れ」を挙げているが、確かにその通りかも知れない。「クルマ離れ」「バイク離れ」「バンド離れ」などと言われるように、男が夢中になる「趣味」の傾向が変わってきているようだ。

Guyatoneというブランド名も消えるのか、あるいは同業他社が引き継ぐことになるのかは分からないが、時代が確実に変化しているのは確かなようで…。

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「Guyatone」の東京サウンドが営業停止

東京サウンド(株)(TDB企業コード:980647747、資本金4,000万円、東京都杉並区高井戸東3-36-14、代表松木耕一氏)は、1月31日に営業を停止した。

当社は、1933年(昭和8年)に創業、56年(昭和31年)7月に法人改組した。我が国初のエレキギターを開発、製造した老舗の楽器・音響機器メーカーで、「Guyatone」ブランドとして、グループサウンズ全盛時代から日本のエレクトリックギターを語る上で、欠かすことの出来ないパイオニア的存在として高い知名度を有していた。

特に、エフェクターの開発を得意としており、コンパクトタイプなど多くのエフェクターを開発。その他にも、楽器の周辺機器の販売や自社ブランドで「REXER」(業務用音響機器)や「SOUND」(真空管オーディオアンプ)を開発し、小売店や代理店に販路を築き、90年2月期には年売上高約10億3,700万円をあげていた。

しかし、近年は、一定のマニア層に支えられてきたものの、バンドブームの停滞に伴う若者のギター離れに加え、欧米の有名ブランドに押され、2012年2月期の年売上高は約1億3,000万円に減少していた。

この間、営業所の閉鎖や人件費の削減など経営改善に努めたものの、業況に回復が見られず、資金繰りが限界に達し、今回の措置となった。

負債は約2億2,000万円。

なお、今後の整理については現在弁護士と協議中で、経理業務および修理依頼品の対応については、2月末日まで業務を行うとしている。

 (帝国データバンク 2013.02.07)


カテゴリ : 経済産業

もはや「茶番」の北方領土問題

2013/02/06(水)
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(根室市内、2010年12月16日撮影)

明日は33回目の「北方領土の日」である。
この問題について、安倍首相はロシアのプーチン大統領と「協議を加速させる」ことを確認し、今月にも森喜朗元首相を特使としてモスクワに派遣するという。

私は約2年前に根室市を訪れたが、市内随所に領土返還を訴える看板があり、納沙布岬から肉眼で北方領土を望むことができるこの地は、長らく返還運動の最前線として機能してきた。地元の意識は高く、教育現場でも領土問題に力を入れているため、老若男女がこの問題を論じることができる。

同時に、同じ道内にありながら札幌市民の関心の低さも改めて痛感した。日常生活においては、北方領土の「ほ」の字も出てこないのが現実である。さらに全国に目を向けると、2010年11月の「メドベージェフ大統領が国後島を初訪問」という報道がなければ思い出されることもなかっただろう。多くの国民にとって、自身の損得に関わらない北方領土問題など「他人事」にすぎないのが実状だ。

領土返還に関わっている主体は、概ね「政府」「元島民」「漁業者」に大別されるが、政府は【国家主権の回復】、元島民は【生まれ故郷の奪還】、そして漁業者は【漁業権域の拡大】という、それぞれの大義名分に“利害関係者”という共通のキーワードがある。裏を返せば、大多数の国民にとっては「明日の生活を脅かすような深刻な問題ではない」、まずはこの事実を受け止めなければならない。

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   ◇

1956年の日ソ共同宣言では、平和条約締結を条件に歯舞・色丹を日本に引き渡すことになったが、日本政府はあくまで4島返還を求めたまま現在に至っている。外務省ロシア課によると「まずは全4島の日本への帰属確認が第一義で、実際の引き渡し時期については柔軟に対応する」としている。

また、返還運動に携わる団体も同様のスタンスで、千島歯舞諸島居住者連盟の理事は「2島先行返還論などもあるが、仮に平和条約締結という条件が出されてしまうと、締結の瞬間に領土問題は終わることになり、それでは意味がない」と語っていた。

一方、根室市内のある漁業関係者は「漁場が広がるんだったら、2島だけでも大いに結構」という。北方領土全体のうち歯舞・色丹の2島が占める土地面積はごく僅かだが、欲しいのは土地ではなく、その沿岸から200海里ある排他的経済水域だ。

さらに、麻生政権時代の外務事務次官が言及したとされる「3.5島(総面積で折半)返還論」が報じられた際には、「主権を放棄する売国奴」として激しい批判を浴びた。平時は無関心ながら、具体的な返還案が俎上に載った途端に「寸土も譲るな」というナショナリズムが沸き上がるのが国民世論だ。政府には「4島全面返還」以外の選択肢はない。

政府が4島を譲らない根拠のひとつが、北方四島の帰属問題を解決して平和条約を締結するという1993年の「東京宣言」だ。しかし、この条文はあくまで帰属問題の「解決」であり、「日本への帰属」ということにはならない。政府はあまりに都合良く解釈をしていないだろうか。

ロシアにとっても、「全面敗北」となる4島返還に応じる可能性などないことは誰もが感じているはずで、このままでは永遠に返還されないことになる。日本の理屈が通用する相手かどうかは痛感しているのだから、「譲歩しないメリット」と、それ故に「ひとつも返還されないデメリット」を比較検討する余地はないのだろうか。

   ◇

09年、北方領土を「我が国固有の領土」と法的に明文化され、政府はこれを最大の根拠としてロシアに返還を求めている。そして「固有の領土」を「かつて一度も外国の支配下に置かれない領土」と定義しているが、「日本固有の領土だから返せ」という理屈が、世界の共感を得ているとは思えない。

その国の「固有の領土」が他国の領土になることは世界中で繰り返されてきたこと。この論法は国民向けのスローガンとしては一定の有効性があるかも知れないが、国際政治上に「固有の領土」という概念はなく、ロシアを動かす論拠としてはあまりにも弱いのだ。

しかも、政府のいう「外国」とは近代国家を指しているものと思われ、国家観を持たなかった民族レベルの統治権力という存在を無視している。固有性を額面通りに解釈すれば、北海道はアイヌ民族固有の領土、北アメリカ大陸はインディアン固有の領土、沖縄は琉球王国固有の領土という理屈になる。「土地の領有」と、その土地を過去に「誰が支配していたか」は全く意味をなさない。

理由や経緯はともかく、武力で取られた領土を理屈で取り戻すのは容易なことではない。国際法は戦勝国に有利に働くため、「勝てば官軍」とばかりにソ連との不可侵条約は有名無実化されている。ロシアが半世紀以上も実効支配を続けているのは、もはや「無理を通して道理を引っ込めた」に等しい状態だ。

また、現在の日本国憲法下では武力で取り返すことも不可能なうえ、道理として「買い取る」という選択肢もない。まさに八方塞がりの状況下での前大統領の国後島訪問だ。国益のための対ロ交渉においても一切の妥協をせず、さらに相手を挑発するかのような法定義の改正や政府首脳の発言は、結果論とはいえ事態を悪化させただけだった。

   ◇

00年のプーチン政権誕生から驚異的な経済発展を遂げたロシアは以前、15年を目標年次とする「クリル開発計画」を策定。歯舞群島を除く3島で大規模インフラ整備を行なう方針を打ち出した。ロシアにとっては「極東の小島」であるこの3島に巨額資金を投下するこの計画には領土維持への強い意志が感じられ、メドベージェフ氏が初めて国後島を訪問した頃の約2カ月間に発せられたロシア首脳らによる一連の発言は、日本政府や返還運動関係者らに大きな屈辱と絶望を与えた。(以下、各種報道より。肩書はすべて当時)

「大統領の義務は、ロシア全域の発展を管理すること」
(メドベージェフ氏・国後島訪問の際に自身のツイッター上で)
「4島はもちろん、2島をも引き渡すロシア指導者の想定は難しい」
(同・日ロ首脳会談で菅首相に対し)
「北方領土に行くのが悪いことなのか」
(同・APEC日ロ首脳会談で菅首相に対し)
「解決できない論争より、経済協力の方が有益だ」
(同・自身のツイッター上で)
「北方領土での経済開発における日本の参加を歓迎する」
(ドボルコビッチ大統領補佐官・APECで記者団に対し)
「我々の素晴らしい風景美に見とれることには何ら反対しない」
(露外務省サゾノフ情報局次長・前原誠司外相の上空からの視察に対し)
「極東各地で空港整備を進める。これらは我々ロシアの土地だ」
(プーチン首相・党首を務める与党の会議上で)
「北方領土の全てはロシアの領土だ」
(メドベージェフ大統領・ロシアのTVインタビューで)

これら言葉は、一時は歩み寄りを見せていたロシア側の態度が硬化してしまったことを裏付けるもので、すでに4島返還の意志はないものと受け取る見方が大勢だった。

09年10月、沖縄・北方担当相だった外相当時の前原誠司氏は北方領土を上空から視察、「終戦のどさくさに紛れて(旧ソ連に)不法占拠されたことは言い続けなくてはならない」と息巻いてロシアの反発を受けたため、10年12月の視察時には「不法占拠」発言を封印した。野党時代、政府の非を責める時は居丈高だったが、与党の現実を知るや右往左往して最後には開き直る民主党をまさに象徴する信念のなさだった。

首相として日ロ首脳会談を経験した鳩山由紀夫氏も、メドベージェフ大統領(当時)の国後島訪問を「(菅内閣に)友愛の精神が足りなかったから起きた」と、国益をめぐる争いを「精神論」で片付けた。さらに、左翼思想の市民運動家だった菅直人氏に至っては、国家や国境などいらぬ「地球市民共同体」を標榜していただけに、そもそも領土問題に取り組もうとする気配は感じられなかった。

そもそも国家マターであるはずの北方領土問題に本気で取り組んでいる国会議員は現在、ほとんど見受けられないのが現状だ。理由は簡単、領土問題は「票にならない」からである。

   ◇

日本は、この67年間の現実を重く受け止め、返還交渉の在り方を抜本的に見直す時期ではないのか。北方領土のロシア人住民は増え続け、世代交代も進むなど状況は悪化する一方なのだ。

日常的な返還運動を含め、毎年12月のデモ行進や「北方領土の日」の各種イベントが、国内向けの儀礼的なセレモニーと化してはいないのか。当時のソ連軍の違法性をあげつらって訴えるだけの戦術が果たして正しかったのか。2島、3島、共同統治など国内の様々な返還論に対し、政府は柔軟に取り入れる余地はないのだろうか。

外交とは、互いの政治・経済的利益のための妥協である。しかし、これが領土問題になると感情論が先に立ち、結果として国益の実現を妨げてきた。国民感情を煽って領土問題を議論するのは外交放棄でしかない。また、4島以外の妥結では国民感情が許さないため、理想論と意地を貫いて現状維持に甘んじているのであれば、もはや北方領土問題は茶番と言われても仕方がない。

政府はこれまで、北方領土対策費として国内に多額の血税を投入し、ロシアに対しても莫大な経済援助をしてきた。これはまさに全国民が真剣に向き合うべき問題だろう。いつまでも無関心ではいられない。

カテゴリ : 政治選挙

物価世界一の街・東京

2013/02/05(火)
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東京在住時の我が家 (中野区野方)

イギリスの経済誌「エコノミスト」の発表によると、物価(生活費)が世界一高い都市は東京なんだそうな。(最下部に引用記事)

確かに、私が20代前半の頃(バブル最盛期)に東京在住だった際は物価高を肌で感じていた。特に土地・家賃・駐車料などの不動産関連は異常なほどだった。

当時、私が住んでいた賃貸マンション(中野区内)の家賃は、最寄り駅から徒歩10分の6畳ワンルームで約9万円だった。これが札幌なら、立派な一戸建てを賃借できるわ…。ただし、バブルの恩恵もあり収入も破格だったため、経済的に困ることなく無事に過ごすことができた。

東京は物価のみならず、「清潔」や「安心」など他にも世界一の要素が数多あるのだが、「カネさえあれば」という前提で、ずっと住んでいたいと思わせる魅力があるのは確かだ。数年に一度は上京する機会があるが、いつも懐かしさで涙が出そうになるほどだ。

そう、カネさえあれば…

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生活費が高い都市ランキング、東京1位・大阪2位=調査

英経済誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が4日発表した生活費の高い都市ランキングは、東京が1位、大阪が2位になった。

EIUは、世界の140都市について、食料や衣料、家賃など160項目以上の価格を調べた。

その結果、東京が1位に返り咲き、大阪は2位となった。調査を担当したジョン・コープステイク氏は、東京の首位復帰は大きな驚きではないとし、その理由として、不動産価格や賃貸料の高騰などを挙げた。1992年以来、東京が1位以外だったのは6回のみ。昨年1位だったチューリヒは7位に後退した。

コープステイク氏は、今年の結果で注目すべき変化は、オーストラリアの物価上昇により、シドニーが3位、メルボルンが5位にランクインしたことだと指摘。「他の都市では見られない上昇の仕方だ」と述べた。

そのほか、10位以内にはオスロ、シンガポール、パリ、カラカス、ジュネーブなどが入った。

北米の都市は上位20位には入らず、カナダ・バンクーバーの21位が最高位。米国ではニューヨークとロサンゼルスが一番高く、ともに27位となっている。

 (ロイター 2013.02.05)


カテゴリ : 経済産業

菅沼孝三 ライブ撮影

2013/02/03(日)
130203-1.jpg

「手数王」の異名をもつ日本有数のドラマー、菅沼孝三の北海道ツアー最終日のライブ撮影のため、小樽のライブハウス「GOLD STONE」へ。

ツアーメンバーは道下和彦(G)、藤田圭一郎(B)、粥川なつ紀(As)という面々。そして札幌などからアマチュアヴォーカリストやピアニスト、さらに総勢10名のブラス隊も途中からゲストとして加わり、なかなか迫力のあるステージだった。

130203-2.jpg

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…とはいえ、カメラマンがゆっくり演奏を楽しめるはずもない。常に中腰or膝立ち状態のままステージ下を左右に行ったり来たりするため、翌日には必ず下半身が筋肉痛になる。

130203-3.jpg (撮影中の姿勢)

以前のエントリでも触れたが、長丁場の舞台撮影をするにはキツい年齢(足腰)になってきているようで…。これを克服しようと、ダイエットを兼ねて「週に3日はランニングをする!」という目標を打ち立てたことがあったのだが、さて…

カテゴリ : 業務関連
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 山下 浩

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・スチールカメラマン
・札幌市在住 1967年生

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