「『ホンマでっか!?TV』が強調するネットの危険性、ツイッターでは疑問の声も」 (Livedoor NEWS、最下部に記事引用)
そもそも、この番組自体が信憑性のない説を識者(?)がドヤ顔で開陳しているだけなので、食いつく自分もどうかしているとは思うのだが…。
「インターネット(以下、ネット)中毒」が身体や心に悪影響を与えるだろうことは確かだが、それは「過ぎたるは及ばざるが如し」で、ゲーム中毒やパチンコ中毒など何事に対しても言えること。ネットだけをヤリ玉に上げるのはおかしい。
しかも、よりによってそれを「テレビ」が言っちゃいかんだろ…。
1957年、社会評論家の大宅壮一氏がテレビの普及に対して「一億総白痴化」(テレビというメディアは非常に低俗なものであり、テレビばかり見ていると人間としての想像力や思考力を低下させる)という言葉で警告を発した。
また、東京キー局に勤める友人に訊ねてみたところ、ほとんどの業界関係者が「テレビの視聴者はバカ」という前提で番組を制作しており、想定ターゲットは、「テレビ情報を鵜呑みにして本質を知ろうとしない
『B層』」なのだという。
そのテレビ側が、同じ意味で「ネットはバカになる」と批判している構図はまさに「目くそ鼻くそを笑う」であり、「お前が言うな!」がネットユーザーの本音だろう。
若者がテレビから離れ、ネットに移行している現状に危機感を抱いているらしいテレビ局ならではの印象操作とも言える。だが、「他人(識者)に言わせる」形で一方的にイデオロギーを押しつけるテレビが、圧倒的な情報量を有し、それらをユーザー自身が取捨選択できるネットに勝てるわけがないのだ。
尾木直樹氏は番組で「(ネットは)情報がすぐ得られるため自分の脳でしっかり考えることをしなくなる」と発言したようだが、それでは辞書なども含め、好奇心から知識を得ようとする行為を全否定することになる。しっかり考えるためにはまず正しい知識を得るのが前提で、いい加減な情報を垂れ流しているテレビの方がよほど視聴者を白痴化させてしまう媒体だろう。
「ネットは脳を退化させる」という言及も同様で、特にバラエティ番組で目立つ「日本語の音声に日本語のテロップを入れる」という習慣(下画像)、あれは何のためにやっているのだろう。これこそ脳を退化させる要因ではないのか…。

ある放送作家にこの理由を聞いてみたところ、主に「ながら視聴」をさせるためと、やはり「視聴率対策」だという。
テレビから少し離れた場所で家事などをしていても、テロップを読めば内容が理解できる。そして、この有無によって視聴率が数%も違ってくるのだそうだ。民放のスポンサーは、番組の「質」ではなく「数字」を第一に求める。そのためなら、本来は必要のないテロップでも何でも入れまっせ…ということらしい。
何にせよ、問題視すべきは「ネットの存在そのもの」ではなく「中毒になるほどの依存心」であるべきだが、このニュースを読む限り、そうは受け止められない。「識者」を使ってまでネットを非難したいのであれば、まずはそのネット上にある公式サイトも閉鎖したらいかがですか、フジテレビさん。
「ホンマでっか!?TV」が強調するネットの危険性、ツイッターでは疑問の声も
7日に放送された「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)の内容に、一部ツイッター上では疑問の声があがっている。
今回の放送では、お笑い芸人・明石家さんまを司会に「ネット社会の新常識」をテーマに進行。番組の内容は、SNSにおける個人情報流出の危険性を訴えるものから、「トイレでの孤独を癒すアプリ」といったウェブサービスの紹介まで、多岐に渡っていたが、とりわけ「ネット中毒」の危険性を強調する場面が目立った。
出演者である教育評論家の「尾木ママ」こと尾木直樹氏は、「情報がすぐ得られるため自分の脳でしっかり考えることをしなくなる」と指摘。また、脳科学者の澤口俊之氏は「インターネット中毒障害は精神疾患の一部」「覚せい剤中毒とほぼ同じ」「重度のネット中毒者には隔離治療が必要」と警告した。
さらに、番組のテロップには「コンピューターを使いすぎると脳が退化する?」「想像上に深刻!ネット中毒の恐ろしさとは」と、見るからに恐ろしい言葉が並ぶなど、ツイッターでは、「ネットやべーな。みんなホンマでっかTV見た方がいいよ!」「ネット中毒恐ろしいな」と、番組の内容に驚きを隠せないユーザーのコメントが寄せられた。
だが、その一方では、「ネット中毒?なんでテレビは中毒じゃないのにネットだけ中毒なんて扱いになるの?」「日本人がネット中毒になる前に、そもそも『テレビ中毒』だったんじゃないかな?」「そう言えば、TVだって見過ぎたらバカになる、とか色々言われてたわね」と、露骨に「ネット中毒」の危険性を煽り、「テレビ」については一切触れない偏った番組構成に首を傾げるユーザも散見された。
(Livedoor NEWS 2012.11.08)