
東日本大震災に伴う原発事故以来、日本各地で「原発いらね」を趣旨としたデモや集会が盛んだ。昨日(19日)も東京・明治公園で「さようなら原発集会」が行われ、主催者発表で6万人(警察発表では2万7千人)が参加したという。
居住が北海道のため現地に行けるはずもなく、「ネット動画を観た限りでは」という前提だが、これらのデモには総じて独特で異様な雰囲気が漂っている。
革マル派をはじめとし、
アジア共同行動日本連絡会議、
三里塚、
緑の党(三橋派)、
全学連、
9条改憲阻止の会など、さながら「左翼の見本市」という様相だ。
もちろん、その思想も行動表現も(違法でない限り)自由で保証されるべきではある。しかし、少なくても一般市民が中心のデモ(世論)には見えないうえ、行進中の立ち振る舞いにしても真剣味や危機感が微塵も感じられず、何をどう変えたいのかが伝わってこない。
※以下、画像は各種の「脱(反)原発デモ」動画(YouTube)より

マスクは「お約束」?

太鼓あり

篠笛あり

さらには路上ライブまで…

いったい、何のお祭りですか?

もはや被災者をバカにしているとしか思えない ◇ ◇ ◇
日本の原子力発電は今後どうあるべきか、真剣に考えなければならないのは論を俟たない。だが、どこまで本気なのか分からないほどの「バカ騒ぎ」っぷりである。
安全地帯に身を置き、休日には原発をダシにして自己顕示とストレス発散しているようでは、原発事故など「しょせん他人事」と公言しているようなもので、違和感や嫌悪感を禁じ得ない。彼らは被災者に対し、胸を張ってこの映像を見せられるのだろうか。
また、新聞報道によると、去る11日に行われた同種のデモにおいて「再三の指示に従わず、意図的に隊列を広げた」として主催者が、「警備中の機動隊員を殴った」として参加者11人が公務執行妨害で現行犯逮捕されている。
主催者らは「不当逮捕だ!」「これは弾圧だ!」などと訴えているようだが、デモ隊というのは国民の財産である公共道路を一部封鎖して「使わせて頂く」立場である。ルール(許可条件)に従い秩序を保つのは当然の責務であり、それを棚に上げたこの主張は筋違いだろう。
直線的で大局観を欠く原発反対派が随所で論破されつつある今、「騒ぎたい」「目立ちたい」だけの自己満足デモしかできないのなら、運動する意味はない。それが横行するほど世論は遠ざかり、反対派そのものの社会的評価も下がり、被災者にとっても「迷惑なだけ」の存在で終わってしまうことになるだろう。(それが真の狙いであれば話は別だが…)